歯応え抜群の新しいきのこ「ヤナギマツタケ」
比較的新しい栽培食用きのこ「ヤナギマツタケ」。歯応えがあり色々な調理に使えますよ!
「ヤナギマツタケ」を知っていますか?
ヤナギマツタケは枯れたヤナギの木に生えるきのことして古くから知られていましたが、1990年代後半頃から国内での栽培がはじまった比較的新しいきのこです。鳥取県にある日本きのこセンターの岡崎萌生さんに詳しくお話を伺いました。
日本きのこセンターでは1995年から品種改良を手がけ、野生のヤナギマツタケのシャキシャキとした特徴的な食感を生かすため、柄の部分を野生品種より長くすることに成功したそうです。ヤナギマツタケの名前について伺ってみると、奈良県下の方言“柳松茸”に基づくとのこと。マツタケとは分類的に異なる種類ですが、古来食用になる大形のきのこを“○○まつたけ”と呼んでいたことから、ヤナギの木に生えるこのきのこをヤナギマツタケと呼ぶようになったそうです。
「無胞子性」ヤナギマツタケの栽培に成功
きのこの栽培において、胞子によるさまざまな問題が生じているということを知っていますか?「きのこ栽培者は大量の胞子を吸引することによるアレルギー性呼吸器疾患(過敏性肺炎、いわゆるきのこ肺)や胞子が付着することによる栽培施設の汚染に頭を悩ませているのです。」と岡崎さん。
そこで、日本きのこセンターでは無胞子性ヤナギマツタケの開発に挑み、栽培者の健康を守る、質の良いきのこが誕生したのだそうです。通常販売されているヤナギマツタケはこげ茶色のカサ、茶色がかった柄をしていますが、無胞子性のヤナギマツタケは胞子の付着による汚れがなく、白いヒダや柄をキープしているので、見た目の美しさも特徴です。
歯応えを生かしてシンプルな調理で!
おすすめの調理方法はペペロンチーノ。ヤナギマツタケは炒めてもしんなりせずシャキッとした歯応えが残るのでしっかり具材として主役になってくれます。
また、醤油とみりんと酒を煮立てて食べやすく切ったヤナギマツタケを煮て、おろし大根を添えた「さっと煮」もおすすめです。
柄の長さがある上に、クタクタにならないので鍋底で迷子になりにくく、これから先鍋料理に欠かせないきのことしても人気が高まりそうです。生産者の健康や栽培環境にもやさしく、見た目も美しくておいしい、優れたきのこに注目が集まっています。
手軽に!たっぷり!毎日食べたいきのこ