「新にんにく」のフレッシュな美味しさを堪能

にんにくの収穫時期を知っていますか?

にんにく

世界中の料理に欠かせないにんにく。乾燥したものが1年中手に入るので、どんなふうに栽培されているのか?旬はいつなのか?意外に知らないものです。国産ニンニクは青森県が7割くらいを占め圧倒的な生産量を誇ります。そのほか、香川県、北海道もにんにくの産地として有名です。にんにくの栽培は秋の植え付けから始まり、冬を超えて春先に花芽をかいて、初夏に収穫するという流れです。土の中のにんにくに栄養が行き届くように、春になって花芽をかきますが、かいた「花芽」とは炒め物にするとおいしい「にんにくの芽」のことです。そして5月下旬から6月あたりに収穫し、この時期だけは乾燥させる前の「新にんにく」が味わえるのです。

じゃがいもと一緒にじっくり揚げて

新にんにくは当然のことながら水分が多いため、常温に置いていればカビが生えてしまいます。新聞紙に包み冷蔵庫で保存し早めに調理しましょう。今だけのおいしさは、できるだけシンプルに味わいたいもの。皮付きのじゃがいもを櫛形に切り、新にんにくは割って薄皮を剥かずそのままフライパンに入れます。サラダ油かオリーブオイルをかぶる程度入れたら、火をつけてじっくりと揚げます。あればローズマリーをひと枝入れると香りがよくおすすめです。じゃがいもに火が通ったら塩を振ってできあがり。フライパンに残ったオイルはにんにくのいい香りが移っているので炒め物などぜひ他のお料理に!

にんにく揚げ

バターが決め手!新にんにくの丸ごとホイル焼き

産地の方からおすすめされたのは丸ごとのホイル焼きです。上の方を少し切って、バターをのせてアルミホイルで包み、オーブントースターで様子を見ながら20〜30分焼きます。

にんにくホイル包み

焼き上がったらパセリをちらし、塩をふって皮を外しながらいただきます。新にんにくとバターの濃厚な味と香り!このままバゲットに塗りつけて・・最高のガーリックトーストもぜひお試しください。

にんにくホイル焼き

おにぎり弁当持って出かけよう

お弁当におにぎり詰めて

新緑の美しい季節。天気のいい休日にはお弁当持って出かけたくなりませんか? 
でも早起きして、おかずを何種類も用意して行楽弁当を作るのは大変です。身構えてしまうことの多いお弁当づくりですがもっと気軽に、お弁当を。家に常備している食材でさっと作れるおにぎり弁当はいかがでしょう。

特別な材料を使わず、彩りも良いおにぎり弁当をご紹介します。

おいしいご飯を炊く

おいしいおにぎりを作るには、おいしいご飯を炊くことが必要です。お米を上手に炊くには、お米も水も計量をしっかりする、お米を割れないように優しく洗う、浸水をしっかり行う、炊きあがりに蒸らしたご飯はしゃもじでほぐし空気に触れさせ、余分な水分を飛ばしてあげることなどが秘訣です。

手軽にできる3種のおにぎり

特別な材料を使わず彩りのいいおにぎりを作ります。

おにぎり

  • 梅干し・かつおぶし・いり胡麻
  • しらすぼし・青のり・黒ごま
  • 味噌・大葉

色合いだけでなく、栄養価もプラスされ、健康にいい食材達なんです。

おにぎりを握る

おにぎりの形には、地域によって特徴があり、一般的な三角の他に俵・太鼓型など様々あります。今回はお弁当箱にもおさまりやすい俵のおにぎりを握ります。

おにぎりの握り方

おにぎりを上手に握るコツは、なるべく炊きたての熱いご飯を用意します。そして、ご飯が手につかないように、手を水につけ、塩を指先につけ手のひら全体にのばします。好みの量のごはんを手のひらにのせ、俵型になるよう上下の角を指で押さえながら握ります。握る回数が多いと硬いおにぎりになってしまうので気をつけてください。塩の量はお好みもあるので作りながら加減してください。

梅干し・おかかと、しらす・青のりのおにぎりはご飯に混ぜ込んで握ります。味噌のおにぎりは、白いごはんのおにぎりに味噌を塗り大葉を巻いて仕上げてください。

「手」は最高の道具

多少形がゆがんでも、大きさの大小があっても問題はありません。3種でなくても1種でもいいんです。手は美味しいものを作りだす最高の道具。きっと外で食べるおにぎりは特別な味わいになるでしょう。

おにぎり弁当

*お弁当:3種の俵おにぎり、鶏肉の塩焼き木の芽添え、小松菜菜の花のお浸し。手軽にできるおかずを添えました。

写真・文 三木れいこ 野菜ソムリエ・料理家

たけのこの中に入っているあの白いぶつぶつって何!?

たけのこの中に入っているあの白いツブツブって何?

春の旬の食材といえば、”たけのこ”。春のお料理には欠かせない食材です。最近では和食だけではなく、イタリアンやフレンチでもたけのこを目にする機会が増えてきています。そんなたけのこですが、たけのこを調理する時や、たけのこ料理が出てくると、たけのこの中のふしとふしの間に、粉が固まったような白いツブツブとしたものが付いているのを目にすることがあると思います。「これって何なんだろう?」って秘かに疑問に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

たけのこの白いぶつぶつ

このたけのこの中にある白いツブツブの正体は、”チロシン”と呼ばれる成分なんです。実はチロシンって、カラダの元気をサポートしてくれる成分だと言われているんですよ。

チロシンってどういう働きをするの?

チロシンというのは、アミノ酸の一種です。チロシンは、神経伝達物質である、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの原料になると言われています。チロシンには自律神経のバランスを整えてくれたり、脳の働きを助けてくれる作用があると言われており、ボーッとしたりやる気が出ない、自律神経のバランスが崩れているというような時には積極的に摂ると良い成分なのだそうです。

春はウキウキする気持ちになれる時期ではありますが、反面、新生活に慣れずに、落ち込んだりやる気が出なくなってしまったりと、いわゆる5月病と呼ばれるような症状になってしまうこともある時期です。そういった症状になってしまわないように予防の為にも、チロシンが含まれているたけのこは良いようです。他にも成長促進や代謝アップにも良いと言われていますし、白髪の改善にもチロシンは良いと言われているようです。

たけのこで、元気に春生活を送ろう!

美味しいお料理がたくさんあるたけのこに、こんな成分も含まれていたなんて意外ですよね!
何となく取り除いてしまいがちなたけのこの白いツブツブですが、こんなにカラダに嬉しい成分が含まれているなら、食べないなんてもったいないです。これからは調理する時にもチロシンを取り除かずにちゃんと残して、春の旬の食材”たけのこ”を堪能してくださいね

びわは常温保存と冷蔵保存、どちらが美味しく食べられる?

ふっくらとしたオレンジ色のびわで、初夏を感じる

皆さん、びわはお好きですか?薄い皮を剥くとみずみずしいオレンジ色の果肉が出てきて思わずかぶりつきたくなります。ハウス栽培などで早くて1.2月から手に入れることができますが、旬は5.6月です。

びわの保存

新鮮で美味しいびわの見分け方は、ブルーナと呼ばれる白い粉のようなものが表面についているもの、また表面の産毛がふわっとしており、オレンジ色の綺麗な色をしているかというところ。そういうものを選んでくださいね。

では、買った後の保存法についてです。

ビワの特徴は、追熟しないという点。ですので、食べごろになるまで置いておいて、というより収穫してから早めに食べることをおススメします。

びわの栄養って、意外とすごいんです

しかし、購入してすぐに食べられないときもありますよね、そんな時はどうすればいいでしょうか?

常温保存?冷蔵保存?

購入したびわを野菜庫と日の当たらない風通しのある部屋で7日間保管し比べてみました。

徐々に常温保存のびわの表面がぼこぼこしてきます。見た目は冷蔵保存の方が購入した時に近く、ふんわりして綺麗です。しかし、色味は常温保存の方と比べると若干オレンジ色が薄くなっています。

びわの常温保存

(届いてから7日目。手前が常温保存。)

では味はどうでしょうか?冷蔵保存のものも常温に戻して食べ比べをしてみると、常温保存のほうが、冷蔵保存のものより甘さや風味が残っていました。見た目は悪くなりますが、常温保存の方が美味しさは保たれると感じました。冷たくして食べたい場合は、食べる前に冷蔵庫に入れてから食べるといいでしょう。

冷凍も可能?余ってしまったらどうする?

びわは冷凍して食べられるのでしょうか?実際に水洗いをしたものを、水気をしっかり切って冷凍してみました。

・・・しかし、解凍すると色も変わり、味も落ちました。ですので、冷凍はあまりお勧めしません。

びわの冷凍保存

余ってしまった場合、ジャムにしてしまうという方法もあります!

びわジャムの材料

  • びわ(実の部分のみ):100g
  • 砂糖:30g(大体びわの重さの1/3程度)
  • レモン汁:少々

びわジャムの作り方

  • 1.皮と種を取り除き、実だけにします。
  • 2.細かく刻んで、砂糖と一緒に煮込みます。
  • 3.煮込みながら潰していき、ジャムっぽい固さまで煮込みます。
  • 4.最後にレモン汁をひとかけして混ぜ、火を止めて完成です。

ジャムにすれば生の時と比べて保存期間が伸びますので、ゆっくり楽しめますね。

いかがでしたでしょうか?びわが美味しい季節にたっぷり味わってくださいね!

びわの季節

写真・文 ひださとこ

初夏を感じる、びわの皮の剥き方

地場産の野菜を家族でずっと守り続ける/香川県・坂出市 大西 泰加さん

野菜生産と和牛の繁殖、相乗効果で好循環

大西さん夫妻は結婚した当時は働きに出ていて、ご両親が酪農と金時にんじん、金時いも、米の栽培をしていました。大西さん自身は子供が生まれてから仕事を辞め、育児に専念しました。その後ご主人から会社を辞めて農業をしたいと相談され、一緒に就農することを決めました。

大西泰加

専業にするなら毎月出荷できるようにと品目を増やし、収入の安定を図ることに。すでに栽培していた金時にんじん、金時いもと収穫時期が重ならないブロッコリーやアスパラガスの栽培を開始しました。また酪農をしていたご両親が、和牛の子牛生産に切替えました。和牛の生産は毎日朝夕の搾乳作業がなく、餌やりと体調管理が中心となるためご両親の負担が軽減され、さらに野菜と組み合わせることで別のメリットも生まれました。

大西泰加

「畑ではどうしても売り物にならない野菜が出てしまいます。うちの牛はその野菜を食べているんです。無駄なく良い循環だと思います」。大西家の和牛は小豆島に運ばれ、オリーブ牛などのブランド牛になることもあります。

地域との関わりを通して人とつながる

人を雇わず家族のみで経営している大西家ですが、大西さん自身は地域の方々とどう関わっているのか伺いました。「私、何年か前に入った女性部では一番年下なんですよ」。

大西泰加

大西さんが所属する農協の女性部は、年に2回ある地域の祭りに参加することが恒例で、夏はおはぎ、冬はうどんを作って販売しています。特に坂出市名物の「天狗うどん」は、地元の野菜がふんだんに使われておりお客様からの評判も上々。

他にもワークショップをしたり旅行に行ったりすることもあるそうです。「集まるのは農家ばかりなので、それぞれが栽培している物の生育状況などの話で盛り上がり情報交換もできます。何より仲間と交流できることは楽しいです」と話してくれました。

野菜生産と和牛の繁殖、相乗効果で好循環

大西泰加

金時にんじんは甘味ときれいな紅色が特徴で、料理の彩りにも好んで使われています。「シチューに入れても甘くて色がきれいなんですよ」と大西さんは嬉しそうに話します。

大西泰加

金時にんじんはお盆の時期から砂地の田んぼで作ります。坂出の特徴である砂地が金時にんじんの生育には必要です。水やりは夏の暑い時期には1日4回。葉には虫がつきやすいので細かく状況を把握しながら、野菜に合わせて丁寧に育てています。人手が必要な時期は息子さんと娘さんが手伝ってくれます。特に害虫を防除するときには、100mもあるホースを息子さんが引っ張ってくれるのでとても助かっています。収穫してからは1本ずつ刃物で葉と根を切り、規格ごとに選別し、洗浄、出荷という工程が続きます。「みんなで葉を切り、母が選別して、夫が洗って、翌朝出荷するというペースです。出荷までは全て手作業なので、収穫期は家族総出になります」とのこと。収穫が一段落したら、家族で外食に行くことを楽しみにしています。

大西泰加

「大変なこともありますが、いいものが出来たら嬉しいです。おすそ分けした人から美味しかったよって言われるとまた頑張ろうと思います。それに地場産のものがなくなったら寂しいので、これからも守っていきたいです」。大西さんは穏やかに微笑みながら、今後も地場の誇りを守り続けていきたいと話してくれました。

「白いきくらげ」を知っていますか!?

きくらげには白と黒がある!

きくらげは食物繊維とビタミンDを豊富に含み、黒くてコリコリとした食感が特徴のきのこです。近年国内での生産が増え、乾燥だけでなく生のきくらげも出回るようになりました。きくらげの生産量が全国一位(令和3年特用林産基礎資料より)を誇る鳥取県には、山と人のくらしを守るきのこの研究機関「一般財団法人日本きのこセンター」があります。同財団の前菌蕈研究所所長の福政幸隆さんに白いきくらげについてお話を伺いました。

国産きくらげの主流は「あらげきくらげ」という種類で黒い表面の裏には「荒毛」の名前のとおり細かい毛が生えています。あらげきくらげの品種改良時に、ごく稀に発生するのが「白いきくらげ」です。突然変異種の白色きくらげは流通量も少ないため希少価値の高いきのこです。

白いキクラゲ

「白きくらげ」と「白いきくらげ」は別のもの!?

中華料理のデザートや台湾スイーツなどで知られる「白きくらげ」のことでは?と思われた方もいるでしょう。花びらのような薄いヒダがある白きくらげは、シロキクラゲ科シロキクラゲ属のきのこです。

一方、あらげきくらげはキクラゲ科キクラゲ属であり、つまりまったく別の品種なのです。黒色のあらげきくらげの変異種ということから「白色あらげきくらげ」と呼ばれることもありますが、一般に馴染みやすいよう「白いきくらげ」と呼び、少しずつ市場に出回るようになりました。

白いきくらげの食べ方は!?

乾燥キクラゲ

乾燥きくらげを比べてみると、黒いきくらげの方がやや厚みがあって裏の荒毛も目立ちます。福政さんから「黒も白も同様に戻してから、同様に加熱調理して味わってください。」と教わったように、たっぷりの水で戻してみました。(湯戻しもOK!)

白と黒キクラゲ

見た目は黒いきくらげの方が大ぶりで、白いきくらげは表面がつるんとしています。肉厚な黒いきくらげはコリコリ感が強く、白いきくらげはソフトなコリコリ感につるりとした食感、程よい薄さで他の食材との馴染みが良いのも魅力です。白くきれいな色も料理のポイントに!黒と白、2種のあらげきくらげを上手に活用したいです。

キクラゲスープ

春を感じる菜の花おにぎり

春の食養生「菜の花」

ふきやタラの芽、わらびなどの山菜をはじめ春を感じるものはたくさんありますが「菜の花」もその中のひとつ。春は灰汁や苦味がある食材が多いですが、特に苦いものを食べると良いとされています。菜の花も独特のほろ苦さが持ち味ですが、あの苦味や辛みには新陳代謝を促したり体内の毒素を排出してくれる身体に良い働きがあるといわれています。

「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがありますが、日本では昔から食べ物で健康を養う食養生という考え方があり、その中でも特に旬の食材を食べることを大切にされてきました。冬場は体温が下がりやすく老廃物が溜まりやすい傾向にあり、春に苦いものを食べることが体に良いとされるのは春野菜の苦味が身体の中の不要な老廃物を排出する成分を多く含んでいるから。体調を崩しやすい季節の変わり目の体調管理をはじめ、冬の体をリセットして体調を整えるのにはぴったりな食材なのです。

菜の花って何の花?

旬の菜の花はどうやって食べるのがいい?

茹ですぎや水にさらしすぎに注意

菜の花はビタミンCが豊富。カルシウムはほうれん草の3〜4倍含み、チーズなどの乳製品や小魚、ビタミンDが豊富なきのこ類などと一緒に食べるとより効果的です。加熱のし過ぎは栄養が損なわれて食感も悪くなってしまうため、調理するときは加熱のし過ぎには注意しましょう。

茹で菜の花

油と一緒に調理すると栄養の吸収率アップ

菜の花に含まれているβ-カロテンやビタミンEは脂溶性の栄養素。油で炒めたり、ドレッシングやパスタなど油と一緒に食べることで体への吸収率が高まります。少し多めの油で炒めると下茹しなくても苦味が和らいでおいしく食べることができます。

また、菜の花はコラーゲンの生成を助けるたんぱく質を豊富に含んでいるため、魚や肉、卵などと一緒に組み合わせると美肌効果を期待できます。

塩と和からしを入れたお湯で茹でると苦味が和らぐ

ほのかな苦みは菜の花の魅力のひとつですが、ゆでる際に塩と和からしを入れると苦み和らげることができます。茹でた後に水にさらすとより苦みを減らすことができます。ちょっとしたひと手間で苦味を和らげられるので気になるときは試してみてください。

菜の花おにぎりの作り方

香ばしいごま油の香りがふんわり。炒り卵が菜の花の花弁を思わせる春らしいおにぎりの作り方をご紹介します。

菜の花と卵の春おにぎり:材料(3〜4人分)

  • 菜の花:50g
  • ごはん:500g
  • 卵:2個
  • 砂糖:小さじ1/2
  • サラダ油:小さじ1/2
  • ごま油:大さじ1
  • 塩:小さじ1
  • 炒りごま:小さじ1

作り方

①菜の花洗ったら茎とつぼみの部分に分けて、切り口のかたい部分を切り落とします。(やわらかい茎なら切り落とさなくても大丈夫です。)

②鍋に水を加えて火にかけ、塩を入れたお湯でかたい方の茎から茹でます。30秒ほど茹でたらつぼみも入れて30秒ほど茹でます。茹で上がったら氷水や冷たい水にさらして色止めするとキレイな色をキープすることかできます。

菜の花水さらし

③器に卵を割り入れ、砂糖を加えてよく混ぜ合わせます。フライパンにサラダ油を引いて炒り卵を焼きます。

炒り卵

④菜の花の水気を絞って5mm幅に小さ切ざみます。少し細かめに切った方が握りやすいです。ボウルなどに温かいご飯、菜の花、炒り卵、ごま油に塩を加えて混ぜたもの入れてしゃもじでよく混ぜ合わせます。

菜の花混ぜこみ

⑤ラップに包んで丸めたら菜の花おにぎりのできあがりです。

菜の花混ぜこみ

咲いてしまった花も活用。おにぎりに飾ってみたら可愛らしく、より春っぽくなりました。菜の花は、やわらかくなりすぎると食感が悪くなりべちゃっとしておいしくないので、ほどよい食感が残る程度に茹でるのがポイントです。

春告げ野菜、菜の花の茹で方

菜の花の旬は4月頃まで続きます。春らしさいっぱいの菜の花おにぎりを持ってお花見なんていかがでしょうか?

文・野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ

デコポンと不知火ってどう違うの?

デコポンってデコポン?

デコポン

「デコポン」という名前で販売されている柑橘、よくご存知の方には「デコポンと不知火ってどう違うの?」と聞かれます。鋭い質問です!そう、実は同じ品種なんですね。

デコポンの正式名称を「不知火(しらぬい、シラヌヒ)」と言います。「デコポン」の名称は、熊本県の農協の登録商標であり、ある一定の基準を満たして農協から販売されているものにしか使えないのです。その他のものは、「不知火」や「デコオレンジ」「デコタンゴール」など、様々な名称で販売されています。

不知火ってどんな柑橘

先日ご紹介した、ポンカンと清見タンゴールの掛け合わせです。ポンカンの記事にもありますが、この掛け合わせは「はるみ」と同じです。1972年、長崎、南島原で生まれました。その後、不知火町(現在の宇城市)に伝わり、品種名が「不知火」になりました。現在では九州各地、愛媛、和歌山、静岡など日本各地の他、韓国の済州島などでも生産されています。収穫は春先。早いと二月の終わりから、長いとゴールデンウィークくらいまで楽しめます。

みかんを販売してると、よく「デコポンはないの?」と聞かれます。それくらい人気の品種です。
味は甘くてジューシー、濃厚。清見らしいほんのり程度の酸味。これはたまらなく美味しい!ファンが多くいるのも頷けます。外皮の頭に「デコ」があります。これがかわいいですね♪
(すぐに見分けがつきますが、たまに、伊予柑などでもちょっとデコが出ているもみかんもあるので、間違えないよう注意しましょう!)

不知火の食べ方

じょうのう(内側の房)が薄くて食べやすいのですが、外皮は少し厚みがあり、おかげで日持ちも良いです。味がよく、食べやすく、日持ちがする。とても優秀な柑橘ですね!外皮は少し堅いので、少しナイフで切れ目を入れて、そこから手で剥きます。じょうのうがとても柔らかいので、外皮を取り除いたらそのまま食べられます。

価格が少々高めなので勿体ない気もしますが、もちろん、ジャムなども濃厚で大変美味しいです。人気がどんどん上がっている品種なので、最近ではスイーツなどにも使われて販売されていますね。今まさに旬の不知火、この機会に是非食べてみて下さい。

「のらぼう菜」ってどんな野菜?

東京の春野菜「のらぼう菜」

近年人気が高まっている「のらぼう菜」。オランダの交易船が持ち込んだといわれる原種は「闍婆菜(じゃばな)」と呼ばれ、いつの間にか「のらぼう菜」へと名前が変わり、 江戸時代後期には江戸近郊の村々に種子が配布されたと伝えられています。

東京西郊の山麓地帯で広がっていき、今では「東京の春野菜」としてスーパーにも並びます。冬の寒さにも病害虫にも強く、栄養面も優れた理想的な野菜といえるのですが、収穫後に葉がしおれやすいため長距離の輸送に向かないのが難点。近年ではスーパーに地場野菜コーナーが増えたことで、身近な野菜になりました。露地物は3月中旬から5月頃まで出回ります。

のらぼう菜

のらぼう菜は栄養面も優れた野菜

のらぼう菜はアブラナ科の野菜でβカロテンを多く含みます。βカロテンは皮膚・粘膜を健康に保ち、免疫力の保持に役立ちます。また、体の調子を整えるミネラルも豊富に含み、栄養面も優れています。βカロテンは油脂とともに摂取することで吸収力が高まるので、炒めものなどがおすすめです。茎はアスパラのような歯応えと甘みがあり、苦味や癖がないので子供にも食べやすい野菜です。

春の新定番!「のらぼう菜チャンプルー」

チャンプルーはタンパク質も野菜も摂れる栄養バランスの良いおかずです。夏のゴーヤが出回る前に、春はぜひ「のらぼう菜」で!

材料

  • にんにく:1かけ(つぶす)
  • 木綿豆腐:1丁(水切りする)
  • 豚小間切れ:150g(3〜4センチ幅に切る)
  • のらぼう菜:1束(3〜4センチ幅に切る)
  • 卵:3個
  • サラダ油:大さじ1
  • 塩・こしょう:適量
  • 醤油:小さじ1
  • かつお節:適量

材料

作り方

1.フライパンににんにくとサラダ油を熱し、香りが出たら豆腐を大きくちぎって加えて焼き目をつける。

2.豆腐を端に寄せて豚肉を炒め、豚肉に塩・こしょうでしっかり目に味をつける。

3.のらぼう菜の茎を加えて1分炒め、葉を加えてさらに1分炒めたら、鍋肌から醤油を加える。

4.ときほぐした卵をまわしかけ、固まってきたら大きく混ぜて仕上げる。

5.器に盛り、かつお節をちらす。

チャンプルー

茎も葉も、さっと火を通して歯応えを残すのがポイントです。きれいな緑色の鮮やかさも食欲をそそります。

新玉ねぎと普通の玉ねぎ、辛味をくらべてみます

新たまねぎとたまねぎは違う?

玉ねぎと新玉ねぎ

春の訪れとともに店頭に並び始める新たまねぎ。普通の玉ねぎと味わいも触感も違うし、似た名前の別物だと思っていました。が、さにあらず。実は新たまねぎと普通の玉ねぎ、収穫後から店頭に並ぶ間の貯蔵が異なるだけで、元は同じたまねぎです。同じ種、同じ土壌からできた作物でもこんなに味わいが違うなんて、驚きですよね。

新玉ねぎは貯蔵期間に秘密あり

普通の玉ねぎは貯蔵期間を経て店頭に並ぶため、水分が減ってギュッと味が詰まった状態です。一方、新玉ねぎは収穫後に新鮮なまま流通するため、みずみずしい味わいを楽しむことができます。貯蔵期間を経ることで、表面の皮が茶色く変わり、おなじみの玉ねぎの姿に。

新玉ねぎを切ってみる

切ったものを比べてみると、新玉ねぎがみずみずしいのに対して、普通の玉ねぎが栄養が詰まってる感じがわかりますよね。(手前が新玉ねぎ、奥が普通の玉ねぎ。色がちょっと濃くなっていますね!)

生で食べ比べるとわかる「辛味」の違い

新玉ねぎと普通の玉ねぎ、スライスして食べ比べてみると、味の違いに驚きます。

普通の玉ねぎをスライスして食べると、さっぱりとほのかな甘みの後に、玉ねぎ独特の辛味が残ります。一方、新玉ねぎのスライスは甘味が強く、みずみずしく、後味も特に気になりません。

新玉ねぎ

玉ねぎの辛味は「硫化アリル」という成分が原因。体に良いとされ、血液をサラサラにするといわれるこの栄養素は、加熱すると壊れてしまい、水に溶けやすいのでなかなか効率よく摂取するのが難しいのです。新玉ねぎにももちろん硫化アリルはたくさん含まれていますので、生食向きの新たまねぎは栄養を効率よく摂取するのにぴったりです。

新玉ねぎのおひたし

同じように硫化アリルが含まれているのに、こんなにも辛味に違いがあることが不思議。普通の玉ねぎは貯蔵期間に栄養素が凝縮されることによって、硫化アリルの辛味が後味として強く残ってしまうのかもしれませんね。玉ねぎの辛味は、調理法や切り方を工夫することで栄養を損なわずに和らげることもできます。

新玉葱のサラダで春を満喫!