「きくらげ」って海のもの?山のもの?
「きくらげ」は響きから海のクラゲと混乱しがちですが、漢字では「木耳」と書き、耳の形に似たきのこなので山のものです。鳥取県にある一般財団法人日本きのこセンターの岡崎萌生さんにお話を伺いました。
鳥取県は2014年から全国的に主流の品種「あらげきくらげ」の産地化に取り組みはじめ、品種改良や栽培研究を重ねています。あらげきくらげは「荒毛」と書くように、きくらげの裏側にビロードのような白い生毛があるのが特徴です。きくらげは料理の中では脇役的な使われ方が多いのですが、ビタミンDと食物繊維が豊富で健康面ではトップクラスの食材です。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、食物繊維は腸内環境を整える効果があります。
戻し方の基本をおさらい
乾燥きくらげの戻し方や調理のポイントを岡崎さんに教わりました。
水または湯に浸して戻す
<水戻し>ボウルにきくらげとたっぷりの水を入れて浸し4時間以上おく。
<湯戻し>ボウルにきくらげとたっぷりの熱湯を入れ、蓋をして10分間おく。
水洗いして加熱調理
写真の左側が湯戻し10分後、右側が水戻しで4時間後の状態です。見た目には時間をかけて浸水した水戻しのきくらげの方が少し大きく戻っています。味わって比較してみると、湯戻しはコリコリ感がしっかり楽しめ、水戻しはコリコリ感に加えてプリッとした食感もあります。食感の好みや調理方法、暮らし方に合わせて、戻し方と時間の目安を参考にしてみてください。
戻したきくらげは加熱調理していただきます。汁物、炒め物、茹でてサラダやあえものにするなど、活躍の幅が広い!ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、炒め物など油を使った調理で吸収率がアップするのもうれしいポイントです。
ひと手間かけてさらに体に良い食材に!
もうひとつうれしいポイント!乾燥きくらげは、天日干しすることでビタミンDをさらに増やすことができるんです。施設栽培、機械乾燥されたきのこ類のビタミンDはそれほど多くないため、ひと手間かけてビタミンDを増やしましょう。あらげきくらげは毛のない(黒い面)を上にして日光に3時間ほど当てるだけ!ぜひお天気の良い日にトライしてみてください。