きくらげには白と黒がある!
きくらげは食物繊維とビタミンDを豊富に含み、黒くてコリコリとした食感が特徴のきのこです。近年国内での生産が増え、乾燥だけでなく生のきくらげも出回るようになりました。きくらげの生産量が全国一位(令和3年特用林産基礎資料より)を誇る鳥取県には、山と人のくらしを守るきのこの研究機関「一般財団法人日本きのこセンター」があります。同財団の前菌蕈研究所所長の福政幸隆さんに白いきくらげについてお話を伺いました。
国産きくらげの主流は「あらげきくらげ」という種類で黒い表面の裏には「荒毛」の名前のとおり細かい毛が生えています。あらげきくらげの品種改良時に、ごく稀に発生するのが「白いきくらげ」です。突然変異種の白色きくらげは流通量も少ないため希少価値の高いきのこです。
「白きくらげ」と「白いきくらげ」は別のもの!?
中華料理のデザートや台湾スイーツなどで知られる「白きくらげ」のことでは?と思われた方もいるでしょう。花びらのような薄いヒダがある白きくらげは、シロキクラゲ科シロキクラゲ属のきのこです。
一方、あらげきくらげはキクラゲ科キクラゲ属であり、つまりまったく別の品種なのです。黒色のあらげきくらげの変異種ということから「白色あらげきくらげ」と呼ばれることもありますが、一般に馴染みやすいよう「白いきくらげ」と呼び、少しずつ市場に出回るようになりました。
白いきくらげの食べ方は!?
乾燥きくらげを比べてみると、黒いきくらげの方がやや厚みがあって裏の荒毛も目立ちます。福政さんから「黒も白も同様に戻してから、同様に加熱調理して味わってください。」と教わったように、たっぷりの水で戻してみました。(湯戻しもOK!)
見た目は黒いきくらげの方が大ぶりで、白いきくらげは表面がつるんとしています。肉厚な黒いきくらげはコリコリ感が強く、白いきくらげはソフトなコリコリ感につるりとした食感、程よい薄さで他の食材との馴染みが良いのも魅力です。白くきれいな色も料理のポイントに!黒と白、2種のあらげきくらげを上手に活用したいです。