お料理をひとつ上の和食に「木の芽」
新芽の美しい季節になりました。新緑の時期、和食の香りといって思いだすのは、まず木の芽ではないでしょうか。木の芽は、山椒の若葉のことを言います。 独特の香りと、繊細な葉の形と鮮明な緑色。和食を代表する、他に代わりの効かない香味野菜と言っていいでしょう。
中でもたけのことの組み合わせは、「出会いもの(※1)」と言われるだけあって、相性抜群。お吸い物の吸い口(※2)に添えたり、鰻の蒲焼に添えたりも。和風のカルパッチョにもいいですね。野趣を感じる新芽の香りは、1枚添えるだけでも、お料理をひとつ上の和食にしてくれます。
旬の季節には、スーパーでも手に入りますが、結構なお値段なので全部使い切れるかな?と躊躇してしまうかもしれません。 ベランダ等での家庭菜園でも育てる事ができて、心おきなくこの時期には使えますよ。 多年草なので、毎年、芽吹いてくると春が近づいてきたんだなあ、と感じることもできておすすめです。
*1:出会いもの:同じ季節に出回る旬のもので、料理の材料として相性がよいこと。日本料理で使われる言葉。
*2:吸い口:汁ものに添えられる香りのもののこと。
木の芽を使った簡単レシピ
そうは言っても木の芽といえば、敷居が高く、おもてなしの食材のように感じられるかもしれません。
今回は、木の芽を手軽に味わえる、木の芽味噌の焼きおにぎりをご紹介していきます。
材料- 白味噌:50g
- みりん:大さじ2
- 木の芽:お好みの量
- ごはん:適量
- 塩:適量
①木の芽はすり鉢とすりこぎを使ってすりつぶす。
②白味噌を加えてすりこぎですり合わし、みりんも加えて全体をまんべんなく合わす。
③小さめに握った好みの形のおにぎりに塗って、さっとオーブントースターやグリルで焼いて出来上がりです。
春の極みをぜひ、旬の食材で
木の芽みそは、たけのこと和えて木の芽和えや、お豆腐に塗って豆腐田楽にしてもいいですし、白身魚に塗ってさっと焼くのもいいですね。すり鉢がない場合は、細かく包丁で刻んで混ぜ合わせるだけでも美味しく作れます。四季の移ろいを感じることができる和食で、春の極みをぜひ、旬の食材で味わってみてください。
(写真・文 フードコーディネーター・ジュニア野菜ソムリエ 三木れいこ)