ふきのつぼみがふきのとう
雪が溶け始める頃にひょこっと顔を出す、春の山菜「ふきのとう」。寒さを超えて、花が咲き、葉が大きくなりながら茎が育つと「ふき」になります。日本原産のふきは日本全国の山野に育ち、3〜6月にかけて出回ります。
独特の香りと苦味、シャキシャキとした食感が特徴で、うまみを効かせた出汁を使った「ふきの青煮」は代表的な料理です。味付けは少し甘めで、ほろ苦さが春の訪れを感じさせます。
ふきをそのまま茹でていませんか?
そんな春を知らせてくれる「ふき」ですが、アクと苦味が残り、食べづらい思いをしたことはありませんか?実は茹でる前の「下ごしらえ」が美味しさの鍵を握っています。そこで今回は、アクをきちんと取り除く方法をご紹介します。
ふきを茹でる材料
- ふきの茎:1束
- 塩:大さじ山盛り1杯
ふきの下ごしらえ/ゆで方
1.ふきを切る
家にある口径が一番大きいフライパン(または鍋)に合わせて、ふきを切ります。
※茹でた後、皮をむくので、なるべく長く切って茹でて、手間を省きます。
2.板ずりする
まな板の上にふきをおき、塩を全体に振りかけます。両手のひらでふきを抑え、ふき同士をこすり合わせるように前後に転がします(「板ずり」と言います)。
塩がついたまま茹でます。塩は多すぎると塩辛くなり、少ないとアクがちゃんと抜けません。
3.ふきをゆでる
フライパンに湯を沸かし、塩がついたままのふきを入れます。茹で時間は細いものは3分、太いものは5分が目安。大きいボウルに冷水を用意し、柔らかく茹で上がったふきから順に取り出して冷水にとります。
4.皮をむく
ふきを回しながら、爪の先またはペティナイフで皮をつまみ、3〜4cmほどむきます。1周したら皮の先を一つにまとめて端までむき、反対側も同様です。皮をむき終わったふきは、水をはった密閉容器に入れる。翌日使う場合は冷蔵庫で保存する。1日1回水を変えると3〜4日は日持ちします。蕗を下ごしらえした後に、すぐに調理する場合は10分ほど水にさらしてから使うといいです。
和え物に使う際は、和え衣やドレッシングが絡みやすい斜め切りに。
混ぜご飯には小口切りに、煮物には4cm長さのぶつ切りに。
ふきは冬に体に溜まった老廃物も体外に排出してくれる優しくて頼もしい存在です。ひと手間かけて、春の訪れを味わってみてはいかがでしょうか。