山菜は出来るだけ早く作業にとりかかる
春の訪れを教えてくれる山菜が美味しくいただけるのは、新緑がまぶしい初夏の頃まで。一年のうち限られた時期のお楽しみとなると、せっせと食べたくなりますね。アクの強い山菜を美味しく食べるためには、まず「下処理」が必要です。今回は、山菜の下処理と美味しさを保つ保存方法をお伝えします。
春の野山にでかけよう!山菜についてあれこれまず大切なのは、採ってきた山菜を出来るだけ早く下処理することです。アクは時間が経つほど強くなり、雑味が出てきてしまうからです。すぐに食べない場合も、下処理だけはすぐに!が鉄則です。
山菜はアクの強さがいろいろ
手順は、まず不要な葉や泥などを取り除き、さっと洗ってから水分をとります。きれいになったら、さっそくアク抜き作業に入りましょう。アクの強さは山菜の種類によって異なり、ほとんどアクのないもの、時間とともに強くなるもの、アクが強くそのままでは食べられないものまで。種類に合わせて適切な方法を選びます。
アクが少ない山菜
- うるい
- こごみ
- のびる
- 山葵
- あさつき
さっと塩茹でしてから、冷水に取り味を見ます。まだアクが気になるようなら、更に冷水にさらします。注意点は茹で過ぎないこと。風味や歯ごたえがなくなり、山菜の美味しさも半減してしまいます。慣れるまでは短めの時間で味を確認しながら作業しましょう。
アクのある山菜
- タラの芽
- こしあぶら
- うど
- つくし
- よもぎ
- たんぽぽ
こちらも茹でてアクを抜きます。さっと塩茹でしたら冷水にさらします。粗熱が取れたら味を見ましょう。アクを感じるようならしばらく水にさらしておきます。こちらも味を見ながら調整しましょう。
ヨモギの下処理と保存のコツアクの強い山菜
- わらび
- ゼンマイ
アクがとても強く塩茹でだけでは美味しく食べるのが難しい山菜のアクを取るには、「重曹」を活用する方法が手軽です(食用のものを選びましょう)。熱湯に重曹を入れ(重曹の量は水1ℓに小さじ1/3ほど)その中に山菜を入れ、さっと混ぜたらすぐに火を止めます。蓋をしてそのまま半日~一晩ほど置きます。
山菜は長期保存できる?
せっかくひと手間かけた山菜、まとめて下処理して長期保存するのも良いですね。そんな時にオススメの保存方法は二つ。
まず一つは、瓶詰です。アク抜きした山菜を瓶に詰め、お湯を注いでから、しっかりと脱気します。ゼンマイや蕨、タケノコ等、歯ごたえがある山菜に向いています。
たけのこの水煮を自宅で手作り、山の恵みを存分に味わう二つめは、乾燥させること。アク抜きした山菜の水気を丁寧にとり、ザルや干し網に広げてカラカラになるまで乾燥させればOKです。水にさらし戻してから使います。煮物や炊き込みご飯などに使うと良いでしょう。季節の味を長く楽しむひと手間を楽しみましょう。