生活にしっかりと根付いている薬草「よもぎ」
よもぎは、河原や庭先など私たちの暮らしの近くで自生していることも多く、身近な野草の一つですね。昔から、「飲んで良し、付けて良し、浸かって良し、嗅いで良し、燃やして良し」と言われ、漢方では「艾葉(ガイヨウ)」と呼ばれ、薬効と栄養価の高さから万能薬として重宝がられてきました。春先の柔らかい若葉を草餅にしたり、干してお茶にしたり、また擦り傷や火傷の手当てに使ったり、私たちの生活にしっかりと根付いている薬草と言っても過言ではないでしょう。今回は身近な薬草「よもぎ」の成分や効能について、ご説明します。
よもぎにはどんな栄養成分が含まれている?
よもぎの濃い「緑色」に含まれる「クロロフィル」。
クロロフィルとは、植物の葉の部分に含まれる葉緑素です。小松菜やほうれん草など、緑の葉物野菜にもたっぷりと含まれる成分ですが、血液に含まれる成分「ヘモグロビン」とよく似た構造を持っており、そのため「ヘモグロビン」同様、優れた造血作用を持っています。
クロロフィルの構造はとても小さく、そのため、小腸内の絨毛の奥に蓄積した環境ホルモン(ダイオキシン)や水銀や鉛などの有害金属、残留農薬や添加物などを取り除き、体外に排出させるので、体の中から浄化してくれます。抗アレルギー効果やガンを抑制してくれる効果もあり、積極的に摂りたい成分のひとつです。
便秘解消には欠かせない「食物繊維」。
よもぎにはたっぷりの食物繊維が含まれており、なんとその量はほうれん草の10倍を超えます。よもぎに含まれる「食物繊維」は不溶性食物繊維であり、便秘解消はもちろんのこと、クロロフィルとの相乗効果で有害物質を排出してくれます。
その他にも、止血薬として使われるよもぎらしく、血液凝固作用のある「ビタミンK」、粘膜や皮膚を健やかに保ち、免疫機能を維持する「カロテン」、独特の爽やかな香り成分「シオネール」には、ストレス解消・防腐作用や食欲増進効果も。
この他、ビタミンやミネラル、フラボノイド等も含まれており、薬効の高さに一役買っています。
万能薬「よもぎ」を生活に取り入れよう
沢山の有効成分を含み薬効の高い「よもぎ」ですが、比較的手に入れやすいのも嬉しいですね。春先の「よもぎ」は瑞々しく柔らかなので、草餅や天ぷら、お浸しなどそのまま食用にもなり、春の香りを運んでくれる薬草でもあります。