栄養価は主役級! 香りを味わう春のクレソン

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クレソンの美味しさを知っとこ!

ぴりっとした辛みと清々しい香り、個性派・葉もの野菜のクレソン。肉料理の付け合せ彩り添えの印象がありますが、実は栄養価が高く、たっぷり食べたい野菜です。

watercress

クレソンはヨーロッパ原産のアブラナ科の多年草。和名はオランダガラシ、オランダミズガラシ、西洋ぜり、クレソンと呼ばれていましたが農水省が統一し、クレソンと決めました。(クレソンはフランス語です)明治3~4年頃に日本に持ち込まれ、繁殖力が盛んなクレソンはきれいな渓流沿いや池、平地はもちろん高冷地の清流までも広く分布し、野性化しました。寒さ暑さに強く、生命力も高いため栽培しやすい香草です。

山梨、栃木、沖縄など全国各地で栽培されています。1年を通じて出荷されていますが、露地栽培のものは4~5月が旬。この春に出回るものは色が鮮やかで葉は柔らかです。初夏から夏になると茎も太くなり、硬くなります。市場に流通しているものはハウス栽培物が多く、年中安定して出荷されています。

そんなハウス栽培物と露地栽培物では味や見た目が異なります。ハウス栽培物は葉が柔らかく濃い緑色。辛みがマイルドなので食べやすいです。露地栽培物の葉は紫緑色でやや硬め。ぴりっとした辛みはハウスものより強くあります。葉が紫緑色なのは寒暖差によりアントシアニンという成分が出るからです。ですから夏場は青々とした畑は秋は紫色に変わります。

もっと食べてほしい!クレソンは栄養豊富な野菜

watercress

クレソンの辛みは「シニグリン」というわさびなどにも含まれている成分です。この成分は消化を助け、食欲増進、胃もたれの解消など、胃腸を元気にする働きがあります。肉料理に添えられているのは肉の脂っこさから胃を守り、抗菌作用があります。また血液酸化防止の効果があるため肉食の多い人には積極的に食べてほしい野菜です。

その他にもβ-カロテン、カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンCなどの成分を豊富に含み、栄養価の高い野菜です。また血圧上昇を押える効果や脂質代謝改善にも効果があるそうです。学名が「Nasturtium Officinale」Officinaleは、中世ラテン語で薬草という意味があります。ヨーロッパでは薬効も認められているそうです。肺を潤す作用があることから、喉の痛み咳、肌の乾燥の症状を和らげてくれたり、身体の余分な熱を取りイライラを沈めます。サラダだけでなくスープにしたり炒めたり…日常的に取りたい野菜です。

瑞々しさをキープ。保存のコツと選び方

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葉は大きく、鮮やかな緑色、瑞々しく黒ずんでいない香りは強く、茎が太めで葉と葉の間が詰まっている物がよいものです。 保存はコップに水を入れて茎をさし、葉を乾燥させないようにラップやビニール袋をかぶせて冷蔵庫に入れます。水はこまめに取り替え、鮮度を保ちましょう。(葉についた水分はふきとり痛みを防ぎましょう)または濡らしたペーパータオルに包み、ラップをしてもよいです。

香りは時間が経つ程、薄くなるので、早めに食べきるといいですね。水に浸しておくと数日で茎の部分から白い根を伸ばすので、そのまま栽培することもできます。辛みや苦みは火を通すことで消えるのでお子さんも食べやすくなります。柔らかな葉と硬い茎を使い分けて調理するなど、アイディアしだいで料理の幅を広げてくれる野菜です。生きのいい露地栽培物は貴重です。ぜひ旬の時期に味わってみてください。

文・写真/ほしまさみ