鳥取県八頭郡「北村きのこ園」のエリンギィ

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「北村きのこ園」自慢の培地

鳥取県の東部、八頭郡で50年にわたりきのこの生産を営む有限会社北村きのこ園で、エリンギィについてお話を伺いました。北村きのこ園は、山間部の新鮮な空気とその山で作られる伏流水を利用する恵まれた環境と、長年にわたり研究を続ける「培地の組成」が何よりの自慢です。

北村きのこ園のエリンギィ

畑の「土」に当たるものが、きのこ栽培における「培地」です。農薬や化学肥料を一切使わないというこだわりはもちろん、とうもろこしの芯を使う生産者が多い中、北村きのこ園では2年間寝かせて不純物を取り除いた国産針葉樹(杉)のオガクズを培地のベースとしています。そこへ栄養剤としてふすま(小麦の外皮)と米ぬかを混ぜることで、より豊かな培地ができあがります。天然素材を組み合わせたこのシンプルな栽培方法が、業界でも「できそうでできない」希少価値のある、安全な栽培方法なのです。

エリンギィの培地

まだまだ続く「培地」への探求

培地の研究は今もなお続きます。近年では、竹を炭にして培地に加えたことで、5日早く収穫できるようになり、生産効率をあげることができました。エリンギィの生産山を荒らすために困らされていた竹が有効利用され、よいことばかりです。培地の素材はすべて山のものであり、エリンギィの生産を終えると、今度は培地が畑の肥料となるのです。肥料は野菜の栽培だけでなく、豚舎の敷料としても利用され、美味しいお肉になるといいます。まさに循環型のきのこ栽培なのです。

きのこ栽培

ひんやり・ゆっくり「感動するきのこ」の秘密

北村きのこ園では栽培室を一般的な栽培温度よりも1〜2度低く設定し、収穫までに1.5倍の時間をかけてゆっくりと育てています。だからこそ旨味の強い、密の細かい食感のよいエリンギィができるのだそう。実際に収穫作業を体験させてもらい、ずしっとした重み、ギュッと詰まった密な感触に驚かされました。

食感のよいエリンギィきのこのしょう油焼き

そして、シンプルに焼いて醤油を垂らしてみると・・その歯ごたえと香りは格別!きのこはふんわり軽いもの・・というこれまでのイメージを覆す、まさにキャッチフレーズのとおり「感動するきのこ」なのでした。