すだちの上手な使い方、皮と果汁を料理に取り入れる!

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小さくて、青くて、丸い姿が愛らしい「すだち」

徳島の名産品として、初秋の食卓には欠かせない果物です。5月になると、白くかわいらしい花を咲かせて、実をつけます。徳島県の「県の花」に「すだちの花」が制定されており、国内で生産されているすだちのほとんどは徳島県で収穫されています。

すだち

一般的なみかん類とは違って酸味が強く、生食にむかない柑橘類を「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」といいます。大阪のとある有名なポン酢メーカーにはすだちは欠かせないとして、専属の農家さんをお持ちだそうです。すだちの他に、「かぼす」「じゃばら」があり、海外原産の香酸柑橘では「レモン」や「ライム」が筆頭です。

香りが高く、酸味が強いため、皮を削ったり、果汁をしぼったりして、調味料代わりに使ったり、ジュースなどに利用します。すだち独特のすがすがしい優雅な香りは12種類の「モノテルペン類」という香り成分が重なったものです。
特に、他の香酸柑橘には全く含まれない2種類のフラポン「スダチチン」「デメトキシスタチチン」が
発見されており、香気の大きな要因となっています。

すだちの定番の使い方

すだち独特のその香りは果汁よりも、皮に含まれています。すだちを横半分に切ると、実よりも種が中を占めていることがわかります。そのため、果汁は1個で小さじ1〜1.5杯程度しか取れず、その量はかぼすやレモン等より少ないです。

果汁と皮の両方を使うことが、すだちを料理に取り入れる際のコツです。

すだちの皮と果汁の使い方

  • 皮:すだちを切る前に、皮を削りましょう。穴が小さいまたは、削る部分が細くなっているおろし金を使います。
  • 果汁:横に2つ切りにし、手でぎゅっと絞ります。

焼き魚、焼きキノコ(本しめじ、舞茸、松茸がおすすめ)、茶碗蒸し、お吸い物、お刺身にかけます。鍋料理に使う醤油やぽん酢に加えます。

すだち1個あればできる!つけ味噌

すだちの香りは収穫した瞬間から少しずつ減っていきます。すだちを手に入れられたら、なるべく早いうちに料理に使う方が、香りを楽しむことができます。今回はすだち1個からできる「すだち味噌」をご紹介します。キュウリや大根、人参のスティック野菜に使ったり、ご飯のお供にしたり、茹でた鶏肉、ふろふき大根、焼いた厚揚げにのせたりして、お使いください。

すだちのつけ味噌材料(作りやすい分量)

  • すだち:1個
  • 味噌:50g
  • 調味料:砂糖・みりん 各大さじ1.5

すだちのつけ味噌の作り方

すだち味噌の作り方すだちの料理使い方

1.下準備

すだちは皮をしっかり洗う。水気を切り、おろし金などで皮を薄くすりおろす。半分に切って、果汁をしっかり絞る。種と皮は捨てます。

すだち

2.加熱する

小鍋に味噌とaを入れて中火にかけ、元の味噌のかたさになるまで練り上げる。火を消し、すだちの果汁と皮を加え、しっかり混ぜ合わせます。

すだちみそ

3.完成!

粗熱がとれたら、器によそう。作り置きする場合は、保存容器に入れる。冷蔵庫で2週間保存できる。冷凍保存なら3ヶ月保存可能です。

すだちの香り成分は健康にいい?

すだちの香り成分には効果効能があると言われており、研究が進んでいます。すだちには次のような効用が確認されています。

  • 不安やイライラの脳波減少
  • ストレス解消

日本特有の香酸柑橘として、初秋の食卓の名脇役として親しまれている「すだち」。ただ焼き魚やお吸い物に果汁を絞って使うだけでなく、今回ご紹介した「すだち味噌」は長期間、すだちの香りや味わいを楽しむことができます。すだちが旬の時期は夏と秋の季節の変わり目で、体調も崩される方も多いと思います。普段の食卓にすだちを取り入れて、秋の夜長を元気に迎えてみてはいかがでしょうか。