セロリの栄養と効能

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薬用として使われていたセロリ

セロリ

シャキシャキとした歯触りと爽やかな香りがおいしいセロリは、サラダやスープで食べたり、肉や魚のにおい消しなどの香辛料としても広く使われています。セロリは人参や三つ葉、パクチーなどと同じセリ科の仲間で、日本ではその独特な香りに好き嫌いが大きく分かれるものの、ヨーロッパでは古くから親しまれてきた身近な野菜のひとつです。山岳地方の湿地では紀元前から自生していたといわれ、セロリの強い香りには薬用としての効能があると考えられたことから、古代ギリシャ時代では目の炎症の外用薬や整腸剤など、薬として長く利用されていました。

セロリに含まれる栄養素

セロリの栄養

みずみずしさいっぱいのセロリは、重量の95%が水分。100gあたりわずか15kcalととてもヘルシーな野菜です。もやしやきゅうりなどのように、そのほとんどが水分であることから栄養が少ないと思われがちですが、健康や美容にメリットがある栄養素がたくさん含まれています。

カリウム

カリウムは、人の身体に欠かせないミネラルのひとつでセロリには100gあたり410mg含まれています。身体の中の余分な塩分や水分を排出してくれるので高血圧の予防や浮腫みに効果的です。血の巡りがよくなり、脂肪を分解して体外へ排出します。カリウムは水に溶けやすいため、生のままかスープなどで食べると効率よく摂ることができます。

ビタミンB群

ビタミンB1・B2・B6などのビタミン類は、体の機能維持や疲労回復には欠かせない代謝に関わる成分。摂取したたんぱく質からエネルギーを作り出したり、筋肉や血液を作るときにも使われる水溶性のビタミンです。ビタミンB6は一部腸内で作られますが、水溶性ビタミンは体内に留まらずに排泄されるため、食事からも積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンC・E

ビタミンC・Eはどちらも生活習慣病の予防や美肌づくりには必要不可欠な栄養素。強い抗酸化作用があり、体の老化を防いで血管を強化するなどの働きがあります。セロリは水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンEをバランス良く含んでいます。一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。

βカロテン

セロリに含まれているβカロテンは、体内でビタミンAとして働きます。抗酸化作用があることから、さまざまな疾患の要因となる活性酸素を除去し、アンチエイジングに効果的。セロリの葉の部分に多く含んでいます。β-カロテンは脂溶性のため油と一緒に食べることで体内への吸収率がアップします。

ビタミンK

ビタミンKは、血液凝固や丈夫な骨作りに関与する脂溶性ビダミンで、ビタミンDとともに骨の形成をする作用があります。骨を丈夫にしたり動脈の石灰化を予防する効果があります。セロリに含まれるビタミンの中でいちばん多く含まれているのがビタミンKです。

食物繊維

食物繊維には水溶性や不溶性があり、セロリには不溶性食物繊維が多く含まれています。整腸作用が便秘の予防や改善、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病のリスクを低減させ、食物繊維は腸内で善玉菌の餌となって腸内環境の改善に役立ちます。

ピラジン

ピラジンは、血行を促進して血液をサラサラにし、脳をリラックスさせてイライラや不安の解消・生活習慣予防に効果があります。

セロリに含まれる香り成分

セロリ

セロリの栄養素以外に見逃せないのが香り成分。セロリには約40種類の香り成分が含まれていてフレッシュな香りが特徴です。セロリの香り成分のほとんどがイライラや不安を鎮めたり頭痛などの鎮痛作用や安眠効果があり、食べなくても香りを嗅いだだけで心を落ち着かせる効果があります。セロリは独特な香りが苦手な人も多いですが、その強い香りこそが大きな魅力。加熱しても栄養が損なわれにくいためサラダや炒め物などいろんな料理に使えます。栄養だけでなく香りにもさまざまな効能があるので、日々の生活にセロリをもっと取り入れてみてはいかがでしょうか。

セロリの下ごしらえ

(写真・文/野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ)