「パクチー」ってどんな野菜?
今やすっかりおなじみとなったパクチー。エスニック料理のブームの到来とともに人気に火がつき、今となっては大好き派にも苦手派にも知られる個性派野菜です。日本ではまだまだ新しい野菜ですが、地中海が原産といわれ、中国、タイ、インド、スペインなど世界中で古くから食されてきました。
葉、茎、根、種子まですべてを味わいつくすことができ、種子はホール(粒)でスープや煮込み料理などに、粉末はカレー粉の中にも含まれるスパイスです。漢字では「香菜」と書き、中国では「シャンツァイ」、タイでは「パクチー」、英語では「コリアンダー」と呼ばれます。
「マイルドパクチー」との出会い
岡山県でパクチーを生産されている株式会社アーチファームの植田輝義さんを訪ねました。畑にはふわっとパクチーの香りが漂い、これぞパクチー畑!今から20年ほど前、東京から「パクチーをつくってほしい」という依頼があり、それがパクチー生産のきっかけとなりました。引き受けたものの・・実は植田さんご自身はパクチーが苦手だったというから驚きです。
まずは、成長の速さ、葉の大きさ、香りなどを確かめるため、10種類のパクチーの種を栽培して比較することに。成長したパクチーを苦手ながらもひとつひとつ味わい、いよいよ最後の1種!その日の夕食だった豚肉の生姜焼きに添えて味わうと、「あれ!?これおいしい!」と衝撃が走りました。強すぎずマイルドな香りのある品種が見つかったのです。こうして黄ニラの生産が中心だった岡山県で「マイルドパクチー」の生産を本格化し、「岡パク!」が誕生しました。
知られざる「黄ニラ」の魅力とっておきの「根っこ」
「葉っぱ、茎、根っこ、上から順に甘みが強くなるんです。」植田さんがおっしゃるとおり、根っこの味がとっても濃い!素揚げにして塩を振ると、甘みと香りがたまりません。スーパーに並ぶパクチーは根が細いものや、カットされたものが多く残念です。ぜひ産地直送で根っこごとの立派な「岡パク」を味わってみてください。