「かりん」ってどんなくだもの?
秋になると近所のお庭や公園の木に、小ぶりのラグビーボールのような形の黄色い実がなっているのを見かけたことはありませんか?かりんの木は大きいもので6〜10メートルにもなり、公園などに落ちた実が甘く良い香りを放っていることもあります。香りの良さとは裏腹に、果肉は石細胞が多くてとても硬く、渋みが強いので生食には向かない果物です。
それでも、喉の不調に効果的といわれ、かりんは古くから重宝されてきました。かりんには喉の粘膜に付着した細菌やウイルスの増殖や炎症を抑える成分が含まれるため、シロップやのど飴などに加工されます。また、ペクチンを多く含むのでジャムにも向いています。10月終わり頃から黄緑色の実が少しずつ黄色になり、完熟した実が出回ります。近頃ではスーパーの産直野菜コーナーでも見かけることが増えてきました。
「かりんのはちみつ漬け」の作り方
<材料>
- かりん400g(小2個)
- はちみつ600g(かりんと同量〜1.5倍程度)
<作り方>
1)かりんはよく洗って水気をふく。
2)5ミリ幅のスライスまたはいちょう切りにする。(とても硬いので注意)
3)かりんを清潔な瓶に入れ、はちみつを注ぐ。
4)ときどき上下を振りながら3週間〜ひと月漬ける。(長く漬け過ぎると渋みが出る)
5)果肉を取り出す。(濾す場合は清潔なザルで)
かりんのはちみつシロップの使い方
できあがった黄金色のシロップはほんのり甘い香り。お湯で3〜5倍に薄めて飲むと、味も香りも楽しめて体があったまります。
乳製品との相性もよく、シリアルとヨーグルトにかけて朝食にもおすすめです。また、人が集まる機会が増える年末年始に、手作りのかりんのシロップを小さな瓶に詰めて手土産にしても。
夏場は梅シロップで水分補給、冬場はかりんのはちみつ漬けでおいしく風邪予防。どちらも梅とかりんが手に入れば漬ける工程は難しくないので、保存食作りが初めての方にもおすすめです。自分の手で夏支度・冬支度ができると、厳しい暑さ寒さも前向きに乗り越えられそうです。