三浦半島にある川島農園さんの自家製たくあん

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川島農園自家製たくあん「まいるど」の誕生

昭和の後半、「三浦大根」から「青首大根」が主流になりました。「平成に入ったあたりからは大根そのものの消費量が減って、売れない時代がやってきてね・・」と神奈川県三浦市三崎町で大根の生産・加工業を営む川島さんはおっしゃいます。産地間競争が激しくなり、見た目のきれいなもの・形の揃ったものがより良い大根とされるようになりました。おのずと廃棄される大根の量が増え、頭を抱えていたときに、よその業者ができない丁寧な作り方でたくあんを作ろう!と考え加工へ踏み切りました。一つ一つ天日干しにし、天候に合わせて干し加減を見ながら漬け込み作業へ移ります。糠と塩、少しの甘みで漬け込んだ、着色なしのたくあんは、歯ごたえも自慢です。

三浦大根のたくわんたくわん

大根の収穫時期は家族総出!朝から晩までの手作業

大根の収穫時期を迎えた川島農園では、夜明け前から家族総出で作業にかかります。たくあん用の青首大根は収穫後洗浄し、実の先端をハサミで切り、葉先を切り落としたら二本ひと組にして紐で縛り・・すべてが手作業です。畑と加工場をぐるりと囲うように設置された棚にひと組ずつ並べて干すと、あたり一帯はまるで大根のカーテンがかかったようです。これぞ三浦の土地ならではの風景。

三浦大根を干す三浦大根のカーテン

中には一筋だけ皮がむいてある大根があり、尋ねてみると・・「首の方が太いから水分が抜けやすいようにしてるんです。昔、表面の傷をちょっと削ってから干したときに、干し加減に差が出ることがわかってね。それからこうしてバランスを取るようになったんです。」大根の生産同様、たくあん作りも試行錯誤の連続でここまで来られたことがわかります。

三浦大根を漬ける

「おもしろがってやる」「楽しいからできる」

大学生の息子さんも後を継ぐ決意で週末には仕事に取り組まれています。全国的にも農家の後継者問題は大きな課題ですが、川島さんは「息子が自分で決めることだとは思っていたけど・・誰だって魅力やおもしろみがない仕事は嫌でしょう?だから私自身、何でもおもしろがってやってきました。その姿を見せられたってことかな。」と、やはりどことなく嬉しそうです。「楽し〜いの!とにかく楽しいから毎日毎日でも、暗くて寒〜い朝からでもやり続けられるの。」ニコニコとおっしゃるのは、干した大根を1本ずつ切り落として軽トラに積み上げるおばあちゃん(川島さんのお母様)。その笑顔に、息子さんが自然と就農を決意した理由が分かったような気がしました。

川島農園
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