あっぱれ三浦大根
「うちの畑の中で三浦大根を植えてるのはこの区画だけなんです。三浦大根は日当たりも、程よい風も必要だから、一番いい場所に作るんですよ。」
三浦半島の先端で大根の生産・加工業を営む「川島農園」へお邪魔しました。川島さんの「抜いてみてごらん!」というお言葉に甘え、葉っぱをかき分けて畑に入り、力一杯引き抜こうにも・・ビクともしません!まるで絵本の「おおきなかぶ」のようです。
三浦大根をもとめて三浦半島へ!まっすぐ細長い青首大根に比べて、胴が太いので引き抜くにはかなりの力が必要です。葉っぱも青首と比べると、外に広がるように伸びていくそう。引き抜いた三浦大根の重さも想像以上!まさに「あっぱれ!」な大根です。
美味しさも特級!三浦大根は煮物で
「三浦大根」は水分が多く柔らかで、煮崩れしないのが特徴です。実際に包丁を入れた瞬間、みずみずしさが刃先を通じて分かりました!大きいのにスッと包丁が入るのです。川島農園の三浦大根は正月用の出荷分、料亭からの注文分など、ほぼ受注生産に近いとても貴重な大根です。青首大根が主流になった今でも、おせち料理の「なます」には甘みと歯ごたえにこだわって昔ながらの三浦大根を求める方が多いのです。
また、甘みと辛味を程よく持ち合わせているため、料亭では「食べられるツマ」として三浦大根が好まれるのだそう。煮物といえば・・冬はやっぱりおでんですね。ゆっくりと煮込んで味が染み込んだ、大きな三浦大根は格別です。
誠心誠意!三浦大根にまごころ込めて
「野菜を食べないまま大人になると、将来子どもにも食べさせないはず。農業に興味がない子でも、大人になって『神奈川県三浦産』って聞いたら思い出したりするでしょう。畑に着くとやっぱり感動があるみたいですしね。」
川島農園では校外授業や民泊プログラムの学生さんに対し、積極的に農業体験を受け入れています。
「配達は時間もかかるけれど運転も好きだし、お客さんの反応が直接感じ取れるから嬉しくて励みになるんです。」
収穫シーズンは寝るとき以外ずっと作業・・という忙しさにもかかわらず、地域や未来のためにも全力投球。また、週に数回は直接、納品にも行かれるという川島さん。川島さんの仕事に対する信念、地域・お客様・ご家族への想い・・まさに「誠心誠意!」という言葉がぴったりだと感じました。
取材協力:川島義徳さん/川島農園