ビワの葉の恵み 身体を労る、効果と活用法。

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ビワの葉は健康成分が豊富

びわの実

昔はお寺の境内やあちこちの庭先でみかけたビワの木。初夏の訪れを予感するオレンジ色のくりんと丸い実、その実を引き立てるような深い緑の葉が茂っています。

元々、ビワの木は温暖地方の植物でインドや中国が原産地です。「薬草薬木の王様」と呼ばれます。果実は食用として親しまれる一方、葉は生薬として〜漢方では枇杷葉(ビワヨウ)と呼ばれます。民間療法でも扱われます。かつては「ビワの木が家にあると病人がその葉を求めて列をなした」と言われるほど珍重されました。それほどまで言われるビワの葉の効用とはいったいどんなものなのでしょう?

びわの葉

ビワの葉は、長だ円形で葉肉は厚く固く、表面は、光沢があり、裏面は細かい毛が生えています。含まれている主な成分は…

アミグダリン(ビタミンB17)

鎮痛、殺菌作用。(これはビワ茶に含まれる成分で最も注目されている成分です)

タンニン

タンニンはポリフェノールの一種です。腸内整腸作用や抗酸化作用があります。

サポニン

抗炎症作用、抗菌作用、抗アレルギー作用があります。

このような嬉しい効果をもたらす成分を活かすために、ビワの葉には様々な使いみちがあります。

ビワの葉を活かす方法とは?

薬効成分を含んだビワの葉ですが、昔から、利尿 ・下痢止め・ 消炎・ 鎮痛に利用されています。まず手軽に取れて人気なのがお茶です。その他にも、もぐさのようにお灸にする、エキスを作り皮膚に塗る、浴用として使う…などの自然療法があげられます。

晩夏の季語に「枇杷葉湯(びわようとう)」というものがあります。これはビワの葉や肉桂・甘草などを合わせた煎じ汁のこと。江戸時代天秤棒を担いだ枇杷葉湯売りが江戸の町を流し歩きました。庶民の夏場の飲み物として暑気払いに、食中毒の防止や下痢止めに重宝しました。宣伝に無料でふるまわれたこともあり、この光景が夏の風物詩として親しまれました。

ビワの葉エキスの作り方

ビワの葉エキス

家庭の常備薬に作っておきたいのがビワの葉エキスです。虫さされや、火傷など皮膚のトラブルや感染による、のどの違和感や痛みも和らげてくれるなど様々な効果があります。作り方はとても簡単です。

【材料】

  • ビワの葉:150 g
  • アルコール(焼酎、ウォッカなどホワイトリカー/35度以上):1.8ℓ
  • 瓶容器

【作り方】

びわの葉を水につける

1.葉を水につけて、葉の裏の毛を歯ブラシなどで取り除き、洗う。

びわの葉をちぎる

2.細かくちぎる、または2〜3センチ幅くらいに刻む。

びわの葉を瓶に入れる

3.消毒済みの広口ビンに入れてアルコールを注ぐ。(瓶の容量の 1/3 〜 2/3量の葉っぱに瓶の上までアルコールでもよい)

4.3ヶ月〜4ヶ月、冷暗所に置く。

※ビワの葉の力を最大限に活用するなら、採取は、植物の生命力がみなぎる春、花の開花前の「大寒」にするのがよいとされています。薬や病院に頼らず、自然の恩恵に預かり家庭の中でトラブルを解決できることもあります。ビワの葉療法、試してみませんか?

(文・写真 / ほしまさみ)

初夏を感じる、びわの皮の剥き方