飛騨地方の伝統食「あぶらえおはぎ」

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「えごま」ってどんな食べ物?

エゴマ

えごまはシソ科の植物で、見た目は大葉とよく似ています。日本では主に種子を食しますが、韓国では葉っぱをキムチ漬けにしたり葉を主に食します。えごまには、物忘れ予防やアトピーの改善、便秘解消などに効果のあるαリノレン酸が豊富に含まれるため、近年では手軽に摂れるえごま油の人気もさらに高まっています。

栄養たっぷりのエゴマ!育てて、食べて元気いっぱい!

「あぶらえおはぎ」って何?

岐阜県の北部、飛騨地方では、古くから栽培されてきた原種のえごまが今もなお地元の方々の手で生産されています。飛騨地方では、えごまのことを「あぶらえ」と呼び、乾燥させた種子を炒ってすりつぶし、おはぎや煮っころがし、五平餅などで味わうことが多く、お祝い事や⼈の集う場に⽋かせない、日常的にも食卓にのぼる伝統的な食材です。

地元の⽅々がよく作るという、あぶらえおはぎを作ってみましょう。

おはぎ

農家さんが教えてくれた小さなポイント

えごまをフライパンで炒るときは注意が必要です。あっという間に焦げてしまうのでじっくりと丁寧に、けれどαリノレン酸は熱に弱いので煎り過ぎにも気をつけます。

きっと長年作り続けている地元の方々は、頃合いを見計らうことも体で覚えていらっしゃるのでしょう。

作り方

材料

  • えごま(あぶらえ):50g
  • 砂糖:20g
  • 塩:少々
  • もち米:2合
  • うるち米:1合
  • 水:2.5合の目盛りまで

1.えごまをフライパンに入れて火にかけ、香りが立つまで焦がさないように炒る。

エゴマを炒る

2.すり鉢で①を擦り、油が出てしっとりとしたら砂糖と塩を加えて混ぜる。

エゴマを混ぜる

3.もち米とうるち米、水を炊飯器に入れ、30分ほど浸水させてから炊く。

4.炊き上がったごはんをすりこぎなどで潰し、食べやすく丸める。

ごはんを潰す

5.④に②をまぶしつける。

ごはんにまぶす

あぶらえおはぎを作る際に残った和え衣に、お醤油を少し加えて茹でたほうれん草をあえれば「ほうれん草のえごまあえ」に。甘みがぎゅっと詰まった冬場のほうれん草も飛騨高山の名産品です。

見た目も調理の仕方も黒胡麻とそっくりですが、シソ科ならではのさわやかな香りと油分のコクが相まって、ほかにはない味わい。炒ってすりつぶして辿り着ける、とっておきのおいしさです。