「食用菊」ってどんな食材?
食用菊といえば、お刺身に添えられた黄色い小菊を思い浮かべる方が多いかもしれません。小菊の花びらをちぎって醤油に散らすと目にも美しく、お刺身とともに味わうとほんのり苦みが加わりおいしいものです。食用菊には黄色い小菊の他にも種類があり、旬の秋を迎えると大きな食用菊が出回ります。観賞用の菊と大きくは変わりませんが、食用のため苦味を抑え、花びらが大きく育つように改良されています。
紫色の大きな食用菊は山形県産が主流で「もってのほか菊」や「もって菊」などと呼ばれます。呼び名には、「菊の御紋」を食べるなんてもってのほか!だとか、もってのほかおいしい!などの由来があるそうです。
「食用菊」ってどうやって調理するの?
秋になるとスーパーにも食用菊が並びますが、調理の仕方がわからないから手に取ったことはないという方も多くいるのではないでしょうか。実は食用菊の下処理はとても簡単です。
1.花びらをとる
ガクを押さえながら花びらを引っ張るとおもしろいようにバラバラになり、菊の花の香りが広がります。
2.茹でる
鍋に湯を沸かし、酢を加えて20〜30秒さっと茹でます。酢を加えることで色鮮やかに茹で上がります。(水1リットルに酢大さじ1程度)
3.水にさらす
ザルにあげ、冷水にとってから水気をよく絞ります。
「甘酢漬け」の作り方
下処理の済んだ食用菊は甘酢漬けやおひたし、あえものにしていただくことが多く、あらかじめ準備ができるのでおもてなしにもおすすめです。
甘酢
- 昆布だし:大さじ2
- 酢:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
- 塩:小さじ1/2
保存容器に調味料を入れて電子レンジで1分ほど加熱して甘酢を作ります。冷ました甘酢に下処理した食用菊を加えて馴染ませればできあがり。
シャキシャキとした歯応えとほろ苦さが上品な一品です。もってのほか菊の花びらは、1枚1枚がくるっと筒状に巻いた形状のため、茹でた後にもシャキシャキとした歯応えが残るのです。今年の秋は、食用菊で食卓を彩ってみませんか?