女性にうれしい葛の効能
——おなかに風邪が入ったかも・・・
——昨日食べた牡蠣にあたったかも・・・
——しばらくお通じがないな・・・
そんなおなかのトラブルに重宝する葛(くず)。胃腸の不快な症状を自然に緩和しながら身体をぽっかぽかに温めてくれる、冬のお助け食材です。葛根湯でおなじみの葛はマメ科の多年草。葛根(葛の根)からデンプンを取り出して粉にした葛粉は、昔から様々な料理や和菓子に使われてきました。葛は腸のお掃除屋さん。腸壁にやさしく付着して宿便をはがし、腸内の血流を促してくれます。また女性にとってもうれしい効果が。葛に含まれるダイゼインやプエラリンなどのフラボノイド類が女性ホルモンの補助、精神の安定に作用し、更年期や月経前のつらい症状をやわらげます。葛の一番簡単な活用法は、料理にとろみをつける“あん”を作る際、葛を水に溶かして使うこと。片栗粉よりもなめらかなとろみがつけられます。今回は葛の薬効を最大限に発揮する、簡単なお手当て法をお伝えします。
頑固な便秘にりんごの葛湯
りんごの葛湯材料
本葛粉 大さじ1
水 1カップ(200cc)
りんごのすりおろし 1/4個分
自然塩 ひとつまみ
りんごの葛湯の作り方
材料をすべて鍋に入れ、よく混ぜてから中火にかけます。
葛にとろみがつき、色が透明になるまでかき混ぜたらできあがり。温かいうちに飲みます。
葛の持つ整腸作用とりんごの水溶性食物繊維ペクチンの相乗効果で、硬い便に水分を行き渡らせ、排泄を促します。離乳期の赤ちゃんの便秘や微熱にも効果を発揮します。
食あたりや下痢には梅の葛練り
梅の葛練り材料
本葛粉 大さじ3
水 1カップ(200cc)
梅 1個
自然塩 ひとつまみ
梅の葛練りの作り方
梅を食べやすいように手でちぎってから材料と一緒に鍋に入れ、よく混ぜてから中火にかけます。
葛がフツフツと煮立ってとろみがついたら、色が透明になるまでよく練ります。
葛のデンプン質のきめ細かい粘り気が腸壁をやさしく覆い、腸の荒れと脱水を防ぎます。梅のクエン酸には強力な殺菌効果があり、動物性タンパク質や細菌、その他の腐敗毒を中和します。
葛の選び方
葛を選ぶときに大事な注意点があります。それは、必ず裏の表示を見ること。現在市販されている「葛粉」「葛デンプン」はほとんどがジャガイモデンプンだと言われています。ジャガイモは葛とは逆に体を冷やす作用があります。必ず「本葛粉」100%のものを選びましょう。冬のイベントで疲れた胃腸を癒す特効薬として、葛を毎日に取り入れてみてください。
写真・文:岡本淳子(Aisha Beaute)