江戸時代からの夏の風物
茹で立て枝豆がテーブルに上がる。手はのび、のび…気づけば山盛りの皮。汗ばむカラダに絶妙な塩加減と豆の甘みがしみわたり、暑さもこれがあるからイイネ!と気分が上がる夏の味。
縁側、花火、朝顔、日本の夏のイメージにかかせない美味しい一品。枝豆。江戸時代、夏になると路上に「枝豆売り」の姿があったそうです。いわばファーストフード的存在でした。当時は枝つきで茹でたものをそのままの状態で食べ歩いていたので「枝豆」というようになったとか。
枝豆が完熟すると「大豆」になります。だから大豆と同じように栄養も豊富。スーパーや八百屋さんで売られている枝豆は品種まで記載されていないことも多いのですが、品種は、主に白毛豆、茶豆、黒豆の3種類。新鮮な枝豆はさやの色が濃く鮮やかな緑色。表面の産毛がしっかりついています。豆は大きさが均一でまんべんなく入っているものがよいとされます。
今では冷凍食品もあり、1年を通じて食べる事ができますが、夏場の茹でたては格別です。新鮮なうちに茹でて、ぜひお召し上がりください。
枝豆~基本の茹で方~
枝豆は通常スーパーなど袋入りで売られているものは250g〜300gです。茹でる水の量に対して、塩は4%を目安にします。基本を覚えておくと迷わず味が決まりやすいですね。
材料
- 枝豆:250g
- 水:1ℓ
- 塩:40g (10gは塩揉み用、30gは茹で塩用)
※塩は水に対して4%。1ℓなら40g、2ℓなら80gです。豆の量に合わせて調整してください。
枝豆の茹で方
1. 枝豆の下処理
枝から豆を切り離します。サヤの両端をハサミで切り落とします。その後、 切り落とした枝豆をよく洗います。
※この間に、鍋に湯を沸かしておきましょう。
2. 塩でもむ
塩10gを枝豆にふりかけ、強めにこすって塩を揉み込みます。こうすると産毛が取れて口当たりが良くなり、塩味も染み込みます。 また、鮮やかな緑色になります。(さらに10分くらい置くとより塩がまわります)
3. 茹でる
沸騰したお湯1ℓに残りの塩30gを入れます。その後、塩を揉み込んだ枝豆は洗い流さずにそのまま湯に入れ、中火で湯がグツグツしている状態を保ちます。枝豆が上がってくるので、箸でまぜてまんべんなく火を通すか、落としぶたをします。
枝豆のゆで時間
2〜5分間茹でます。2分半頃から枝豆をひとつ取り出して茹で具合と味を見ます。硬ければさらに30秒から1分追加で茹でます。少し歯ごたえを感じるくらいで引き上げ、余熱で少し柔らかくします。※豆の種類によって茹で時間が変わります。袋の裏についている湯で時間を目安にしてください。
※お湯に対して枝豆を多く入れすぎると味も色も悪くなるので注意してください。
4. 冷ます
茹で上がったらざるに上げ、うちわであおぎます。水や氷水にさらさないほうがよいでしょう。塩気まで洗い流し、水っぽくなってしまいます。塩味が足りなければ、塩をひとつまみふり、ざっとまぜます。
鮮度が落ちていたら?こんな裏ワザも!
言うまでもなく、枝豆は新鮮なうちに茹でて食べるのが、一番美味しく頂けます。ですが、もし枝やさやが茶色くなり日が経ってしまった枝豆には、あきらめるしかないでしょうか?
鮮度が落ちた枝豆を一工夫!
枝豆を塩揉みしたあと、沸騰したお湯の中に砂糖10g、塩20g入れ、茹でます。砂糖のほんのりとした甘みが、豆にのります。塩より砂糖の方がしみこみやすいので、塩揉みを砂糖で揉み込むと甘みがかなり入ります。そうすると、枝豆の甘みより砂糖の味が強く出てしまいますので本来の枝豆の美味しさから離れてしまうので注意が必要です。
枝豆は枝つきで売られているものと、さやだけで売られているものとあり、枝つきの方が新鮮なイメージがありますが、枝の有無より、豆自体の鮮度を良くみて選びましょう。どんな野菜でもそうですが、回転の良いお店、管理状態の良いお店で買うのが一番ですね。
文・写真・イラスト/ほし まさみ