初夏を感じる果物、ブルーベリー
少しずつ夏に近づき、蒸し暑い日が続きますが、ときにささやかな風が心地よい「初夏」の季節。この時期になると、ブルーベリーが実を付け始めます。ジャムやヨーグルト、チーズケーキなどのお菓子でよく使われているブルーベリーの実ですが、実は木になっているものだとご存知でしょうか?
日本国内では1950年代ごろから栽培が始まり、現在では茨城県つくば市や、東京都小平市、山梨県北杜市が日本三大ブルーベリー産地としてあげられています。主に3種類あり、地表にしげるようにして生える「ローブッシュ種」、1mの高さまで育つ「低木ハイブッシュ種」に加えて樹高170cmほどになる「ラビットアイ」などの種類があります。
ブルーベリーの花は白く「すずらん」によく似た小さくかわいらしい花が枝にぶら下がるようにしてついています。実の大きさに1円玉から500円玉ぐらいまでばらつきがあります。旬の時期は6月から8月にかけてで、直径30cm、高さ40cm~50cm程度の大きめの鉢があれば家庭菜園で育てることも可能です。
ブルーベリーは目にいい?
ブルーベリーは、いちごのように丸ごと食べることが出来るのも魅力です。そんなブルーベリーは栄養が非常に豊富。小銭ほどの大きさの粒にはたくさんの栄養素がぎゅっと詰まっています。動脈硬化の予防や粘膜や皮膚の保護の働きをするビタミンAや、美白効果や免疫力を高めるビタミンCなどをはじめ、亜鉛やマンガンなども豊富です。また「食物繊維」は果物の中で一番多く含まれています。抗酸化作用といって動脈硬化や心臓病や糖尿病、ガン予防などに役立ち、また健康やアンチエイジング効果に優れた果実なのです。
ブルーベリーが目にいい、と聞いたことがある方は多いと思います。その効能が知られるようになった逸話があります。第二次世界大戦中、イギリス空軍にブルーベリージャムが大好物なパイロットがいて、夜間飛行中の薄明かりの中でもはっきりと景色が見えたことから世界各地で研究が始められたとも言われています。
目にいい栄養素はブルーベリーに含まれるアントシアニン
ブルーベリーは「アントシアニン」といってポリフェノールの一種が豊富に含まれています。
これが視力回復に効果的とされるポリフェノールです。この栄養素には目の血流を改善する効果、目の動きをサポートする効果があり、眼精疲労回復にも効果があるとされています。
人間の目の網膜には「ロドプシン」というたんぱく質が存在しています。ロドプシンが分解されて発生する電気信号が脳に伝わって「目が見える」という状態になります。このロドプシンは分解と再合成の繰り返しをおこないます。疲れや加齢などでこのロドプシンの再合成能力が低下していきますが、「アントシアニン」によって再合成能力が低下するのを防ぎ、かすみ・ぼやけなどの予防や改善に効果があります。ブルーベリーには「アントシアニン」が15種類以上も含まれているのです。目の疲れや成人病予防などに大変効果的なブルーベリー。パソコンやスマホと日々にらめっこする生活の私たちにはとっておきの食べ物かもしれません。