ナスの種類と水ナスの歴史
夏野菜と言えば、ナスですね!
旬の時期は食卓にナスが頻繁に登場する家庭も多いのでは? でも、実はちょっぴり苦手……というお子さんの声も。好き嫌いなく、何でも食べて欲しいと思うのが親心ですよね。そこで、本日は水ナスのご紹介です。
日本には長ナス・丸ナス・白ナス・賀茂ナス……など地域特有の品種もあり、なんと180種類もあると言われています。
その中で、水ナスは江戸時代より大阪南部—泉州の気候と風土でしか育たない独自の高級野菜、と言われる品種でした。常に土が湿った状態を保たねばならないため 栽培には大量の水が必要です。ため池の多くあった泉州地域で栄えたというのも納得です。手で絞ると水がしたたるほどみずみずしいため、当時、炎天下で作業する農夫の喉を潤したといいます。江戸の文献では水ナスは菓子(当時はフルーツ)の部類で扱われていました。まさしく、その名にふさわしい特徴ですね。
水分だけじゃない!水ナスの栄養
90%以上が水分と糖質といわれる水ナスですが、実は見逃せない栄養が!水ナスにはナスニン(ポリフェノールの一種)が豊富なので、女性に嬉しい美肌効果、便秘解消、アンチエイジングが期待できます。また、疲れ目にも効果があるので、スマホやPCのブルーライトで目を酷使する現代人には打ってつけの食材と言えるでしょう。夏野菜は身体を冷やすという特徴もありますが、ニンニクやネギなどと一緒に調理することで身体を温める作用にも変化します。油とも相性が良いので上手に組み合わせたいですね。
水ナスを親子で食べよう!
「水ナス=糠漬け」のイメージが強いですが、他のナスに比べてアクが少ないので生でも食べられます。水ナスは繊維を壊さず、みずみずしさを保てる“縦切り”がおススメ。根元を切り落として、包丁で八等分に切り目を入れます。
そのまま手でサクッと割けるので、小さなお子さんでも手伝えます。定番の塩もみならポリ袋に入れて塩をふり軽く揉むことや、包丁が使えるような年齢のお子さんなら、煮浸しの飾り包丁を一緒に入れることも楽しいですよ。
また、長ナスだと焼くとトロトロになりますが、水ナスは焼いてもみずみずしいままです。炒め物なども片栗粉をまぶして揚げ焼きしてから調理すると、水分を保持しつつ サクッとほどよい食感になります。水ナスの保存は冷やしすぎないこともポイントです。ラップで包んで水分が蒸発するのを防ぎます。最低でも3〜4日以内には食べ切りましょう。一緒に作ると美味しさも格別です!この夏は、親子で水ナスを探求してみてはいかがでしょうか?
(文・写真/正野美雪)