三豊なすはナスの王様
「三豊なす」は香川県西部地域で40年ほど前から作られてきた大きな茄子。
三豊なすは一般的なサイズの「千両なす」3本分くらいにあたる300〜400gもある立派な茄子です。実が大きいのに皮は軟らかく、種の少ない肉質は、みずみずしく甘みがあるのが特徴です。
「うちわみたいな形のがあるでしょう。そういうのがいいやつなんですよ。葉っぱが大きいから実を傷つけないように防風ネットで囲ってやったり、そりゃあ大変よお。」
三豊ナスの生産者、菅原さんが自信作を見せてくださいました。畑には、ゆうに1メートルを超える高さの茄子の枝が広がっています。大きな葉っぱの陰に、これまた大きな三豊なすを発見!農家さんたちが丁寧に育てている「三豊なす」はまるで茄子の王様です。
三豊ナスで地域活性にも一役!
「三豊なす」の皮の柔らかさと甘みは、三豊地域の「粘土性の土」が生み出しているんだそう。昔から地元で作り続けてこられた三豊なすは、傷つきやすく、流通にも時間がかかったため、地元で消費されるものがほとんどでした。ところが、流通技術の発達と、三豊地域のPRに力を注ごうという思いが重なり、香川県を飛び出すことになったのです。
今から10年ほど前、三豊郡の7つの町が合併して「三豊市」が誕生した当時、「三豊なす」を特産品にしようと様々な取り組みが始まりました。地産地消の代表野菜でもあり、地元の小学校では給食にも使われています。
農家さんおすすめの三豊ナスの食べ方
昔から地元では「辛子漬け」にするのが定番だった三豊なすも、近頃では生のままサラダにしたり、厚切りをステーキにしたり、卸先である都会のレストランから生産者さんへ新しいレシピが伝わっているそうです。
農家さんのおすすめは、なんと「三豊ナスのにぎり」。軽く塩もみした三豊なすを甘酢につけて、なじんだところでさっと甘酢をしぼります。にぎった酢飯にのせて軽くにぎれば出来上がり。三豊なすの特徴が存分に活かされた一品です。