昆布締めもいろいろ
昆布といえば、お出汁をとる材料として思い浮かべることが多いと思いますが、うま味を利用した、食し方はお出汁以外にも様々あります。今回は、古くから伝わる昆布締めについてご紹介したいと思います。
昆布締めとは、薄塩をあてたり立て塩につけたりした刺身や切り身を昆布に並べて、また上から昆布を重さね、魚に昆布のうま味と香りをつける方法を言います。一般的には、白身魚のようなたんぱくな味わいのものが向くとされていますが、赤身の魚でも美味しくいただけます。
もともと、昆布が素材の余計な水分を吸って、昆布のうま味と香りを与えることによって、保存性と美味しさを高めた、先人の知恵によるもの。家庭では、白身でも赤身でも、余ったお刺身などを保存しておく為にも知っておくと便利な技かもしれませんね。
そこで、今回は家庭で手軽に手に入りやすい鯵を使った昆布締めを紹介します。
鯵の昆布締め
鯵の昆布締めの材料
- 鯵
- 塩
- 酢
- 日本酒
- 昆布(真昆布 利尻昆布 日高昆布など)
鯵の昆布締めの作り方
- 1.鯵は三枚に下ろし、皮をひいて小骨を取り下処理をする。 軽く塩をして、30分程おいたら水分を拭きとる
- 2.昆布は、日本酒と酢を浸したペーパータオルで拭き、少ししんなりさせる。
- 3.昆布に、鯵をのせ、上から昆布で挟む。密着させるように、ラップでくるむ。4~5時間置いてから召し上がれます。好みの大きさに切って器に盛ります。
意外?お野菜も昆布締めに!
魚の昆布締めが一般的ですが、野菜の昆布締めもおすすめです。季節の野菜を昆布締めにするのもいいですね。ほのかな昆布の香をまとった粋な一品になります。今回は、長いも、みょうが、オクラで昆布締めをつくります。
野菜の昆布締めの材料
- 長いも
- みょうが
- オクラ
- 昆布
野菜の昆布締めの作り方
- 1.長イモは短冊に切り酢水につける。オクラはがくとへたを切り取り、うぶ毛を取るため塩でもみ洗いする。塩を入れた熱湯で、みょうが、オクラをそれぞれ30秒程茹で水分を拭き取る。みょうがは縦半分に切る。
- 2.ぬれ布巾で拭いた昆布の上に、1の野菜をのせ、上から昆布で挟む。密着するようにラップで包む。
- 3.一晩置いた位から召し上がれます。オクラ、みょうがを好みの大きさに切り器に盛り付ける。
野菜は、この他にこれからの季節には、セロリやきゅうり、ラディシュ等も彩りがよくておすすめ。旬の野菜を楽しむのがいいですね。下処理をした野菜をさっと茹でて昆布で締めれば大丈夫。水分をある程度含んだ野菜が向いています。
昆布締めの魅力、締める時間はお好みで
魚も野菜も昆布で締める時間によって、味わいも変わってきます。お好みによって、2~3時間ですっきりとした味わいを、2日~3日置いて芳醇な香りを楽しんでみてください。そして、まずお醤油をつけずにそのまま召し上がってみてください。昆布の豊かな味わいを楽しめると思います。
(写真・文 フードコーディネーター・ジュニア野菜ソムリエ 三木れいこ)