松葉ガニのシーズン到来
冬の気配を感じ始めたらいよいよカニシーズン到来です。9月に解禁の種類から始まり、冬の海の味覚の王様「松葉ガニ」は11月から3月がシーズンです。種類が違えば大きさも身入りも味も違います。
深海の温度や餌の具合でも美味しさに違いが出ますが、特に山陰地方の日本海は良質な漁場があり、極上のカニが育ちます。美味しいカニの選び方を知り、冬の口福を楽しみませんか?
知ってる?カニの数え方活きガニの美味しい選び方
重さ
若いカニは身入りが少ないものが多いのですが、育つ年月が経ったものは、しっかりと身が詰まり重量感があります。手に取ることができたら持ってみましょう。ずしりと重く感じますか?ミソがたくさん入っているものは特に重量感があります。もし持てなければ…お店の人に訪ねてみましょう!
甲羅の硬さ
生のカニの甲羅や脚、柔らかいものと硬いものどちらが身が詰まっていると思いますか?柔らかいものは脱皮してまもないものです。カニは脱皮する毎に身体を大きくし、身を肥やしていきます。脱皮してしばらく経つと甲羅が硬くなり身の詰まりがよくなっていきます。ですから、硬いもののほうが身入りが良いといえるのです。
「ヤケ」がある
美味しさの目印と言われる「カニビル」(甲羅に付く黒いつぶつぶ)。本来は岩など硬いものに付着するものです。それがカニについているということは甲羅が硬い=身入りが良い、と言われます。しかし脱皮したばかりの身入りの少ない「水ガ二」にもつくことがあるので選ぶ基準にはあまりならないようです。
一方、ひっくり返すと表面が茶色く変色していたり、脚や甲羅などに黒や褐色の小さな斑点がついたカニがいます。このカニを「ヤケ(焼け)」と呼びます。 見栄えが悪いですが、実は美味しいカニです。
カニは年に一度、脱皮をして綺麗な表面になります。脱皮したての「水ガニ」は透き通るような色をしています。死ぬまで脱皮し続ける訳ではなく、個体差はありますが9〜13回度程繰り返し、最終脱皮後4〜5年生きるそうです。最終脱皮を経て、さらに海底での生活が長く、表面に傷がついたり、汚れが蓄積して「ヤケ」になっていくのですが、伴って身入りも良くなっていきます。つまり「ヤケ」は美味しさの目印なのです。
ボイルパックされた美味しいカニの選び方
見た目
カニを購入する際に選ぶ基準はまずは「見た目」。
- 色鮮やかな赤色をしている
- つやがある
まずはこの2点を確認しましょう。色が悪いものは古くなっている可能性があります。
重さ
活きガニと同様に重いものはぎっしりと身が入っています。同じ大きさでも重さが違うことがあります。重い方を選びましょう。
茹で具合
茹ですぎのものは甲羅が乾燥し、身が硬くなっています。また茹で方があまいものは固まりきれていないミソが混じった汁がでています。古くなっているものは匂いが悪いのでやめましょう。
カニ味噌って味噌なの?カニ味噌の正体とおいしい食べ方どきどきの通販サイト
美味しいカニが食べたい!と思ったら、多くの方が通販サイトで購入されると思います。直接商品を目にすることができないので初めてのサイトでは「品質は大丈夫かな」と心配になることでしょう。口コミをよく読むことは大切。お店の人気のポイントを比べてみてください。また産地のもの・市場直送も選ぶ基準のひとつでしょう。
産地直送の茹でガニは、プロが専用の大釜でボイルし冷凍するので家庭で茹でるよりも本場で食べる味になります。お店によって塩加減、茹で具合は異なりますので信頼出来る好みの味のお店を見つけられるといいですね。
パキパキと殻から身を外し口に運ぶ…人が集っていても寡黙になり黙々とカニに取り組む、食べる人は集中の中、最高の美味しさに出会います。選び方を知って、どうぞこの冬も幸せに巡り会えますように。
文・写真・イラスト/ほしまさみ