にんにくの芽は食べても大丈夫?

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いつの間にか芽がひょっこり。気付いたらにんにくから芽が出ていることがあります。どうしよう・・・と悩みながらも捨ててしまったりしていませんか?本当に食べてもいいのか不安をお持ちの方もいるかもしれませんが、にんにくは芽が出たものでも捨てずに食べることができますよ。

にんにく芽

にんにくの芽とにんにくから出た芽の違い

にんにくの芽には2種類あるのはご存知でしょうか?私達が普段食べているのは鱗茎(りんけい)という地下茎が肥大したもので、にんにくから出た芽は鱗片(りんぺん)から発芽した芽をいいます。もうひとつは、その芽がさらに成長して葉の間から出てきた花茎(かけい)という部分で、実際のところ芽ではありませんがスーパーなどではにんにくの芽として売られています。

このように、どちらも「にんにくの芽」と呼んだりしますが、ここでいうにんにくの芽とはにんにくから発芽した芽のことを指します。にんにくを縦半分に切ると真ん中に芯がありますが、そこが芽にあたる部分で発芽葉と呼ばれています。

にんにく半分

にんにくの芽に毒はあるのか

じゃがいもの芽にはソラニンなどの毒があるため、もしかしたらにんにくにもあるかもしれないと心配されがちですが、調理のときに芽を取ったりするのは毒があるからではありません。そもそも芽を取るのは炒めたときに焦げやすいからで、料理人が芽を取って使ったことが始まりです。にんにくの芽に毒は含まれていませんので安心してくださいね。ただ、白い部分に比べると苦味が強いため、苦手な方は取り除いた方が食べやすいかもしれません。

捨てるの待って!にんにくの芽は栄養の宝庫

食べられないと思って捨てられてしまいがちな芽の部分。じつは実の部分よりも優れた栄養を持っているのはご存じでしたでしょうか?発芽したにんにくは、実の栄養価が減った分、芽の方に栄養素が詰まっているといわれています。「発芽にんにく」や「スプラウトにんにく」は、あえて発芽させる方法で栽培したもので、栄養が豊富なスーパー食材として注目を集めています。

そんなにんにくの芽ですが、どのような栄養が詰まっているのでしょうか。ここではにんにくの芽に含まれる栄養について見ていきたいと思います。

にんにく株

白い実の部分よりも豊富に含まれている栄養素

鉄分

芽が出ているにんにくは、出ていないにんにくに比べて9倍の鉄分が含まれているといわれています。鉄分は、血液中の赤血球のひとつで、酸素を全身に運ぶ役割を担っています。不足しがちなミネラルの一種で不足すると貧血になってしまいます。

亜鉛

魚介類やレバーなどに比べるとそれほど含まれていませんが、芽が出ていないにんにくに比べて発芽したものは、4.5倍の亜鉛を含んでいます。亜鉛は、体内でざまざまに働く酵素の成分になるもので、たんぱく質やホルモンなどを合成するのに使われ、免疫機能などの働きを保つために必要なミネラルの一種です。

カルシウム

芽が出たにんにくは、通常のにんにくに比べて8倍のカルシウムを含んでいます。カルシウムは、骨や歯をつくるために欠かせない栄養素。神経の情報伝達をスムーズにしたり、筋肉の収縮、ホルモンの分泌や血液の凝固作用にも関係しています。

GABA

GABAは、血圧の上昇を抑えたりリラックス効果があるなど、体にいろいろな好結果があるアミノ酸の一種。芽が出ていないにんにくよりも15倍含んでいるといわれています。興奮させる作用を持つ交感神経が働いているとなかなか寝つけませんが、GABAを摂取すると、副交感神経を優位に働かせることができるため、リラックスできます。

にんにくスライス

いかがでしたか?
にんにくの芽は栄養が豊富に含まれているため、むしろ食べた方が良いと言えるのではないでしょうか。焦げやすさなどに注意さえすればおいしく食べることができるので、これからはぜひ活用してみて下さいね。

文・野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ