青紫蘇と赤紫蘇、どうちがう?

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日本の食卓に欠かせない青紫蘇、赤紫蘇

冷奴にそうめんなど、夏場のひんやりした料理には薬味の香りが欠かせません。薬味の代表とも言える青紫蘇は「大葉」とも呼ばれ、こってりした料理にも青紫蘇を添えればさっぱりといただけるから不思議です。

青紫蘇

一方、赤紫蘇は梅干しの色と風味漬けに欠かせません。塩漬けした梅から水分(梅酢)があがると、そこへ塩揉みした赤紫蘇を加えます。赤紫蘇に多く含まれる「アントシアニン」という色素が梅酢の酸と反応しきれいな赤色に染まります。青紫蘇は「香り」、赤紫蘇は「色」、どちらも和食文化を支える重要な役割を持ちます。

青紫蘇赤紫蘇

栽培面ではどう違う?

畑の脇に直売所を併設されている農家さんにお話を伺いました。畑には赤紫蘇が一面に広がり、買いに来られたお客さんが欲しい分だけその場で引き抜いて販売する究極の新鮮さ。

赤紫蘇収穫

「赤紫蘇はとっても萎れやすいんです。農協とかスーパーに出荷するにはギリギリまで水につけたり、葉を摘み取って袋詰めしたり、結構手間がかかるんですよ。だからうちは随時引き抜いて販売してます。」とのこと。直売所には柔らかそうな青紫蘇も並んでいます。青紫蘇は柔らかい若葉を次々と摘み取り、赤紫蘇はしっかりと成長させてから枝ごと収穫するので、背丈や収穫の時期も仕方も異なります。また、青紫蘇は白、赤紫蘇は薄い紫色、咲く花の色は異なりますが、花が終わり実が熟す前に「穂紫蘇」ができる成長過程は同じです。穂紫蘇はお刺身に添えたり、醤油漬けや天ぷらにもおすすめです。農家さんは原種の種を大切に育て続けるため、紫蘇の実にネットをかけてスズメから守り、来年に繋ぐことも重要な作業なのだそう。

赤紫蘇人気の移り変わり

赤紫蘇

近年、梅干しを漬ける人が減っているものの、赤紫蘇ジュースを作るために赤紫蘇を購入されるお客様が多くなっているとのこと。お話を聞いていると常連のお客さんが「私も夏バテ予防に毎年赤紫蘇ジュースを作ってますよ。仕事から帰ってまず冷たい赤紫蘇ジュースを飲むんです。」と。

青紫蘇も赤紫蘇も上手に活用して、ジメジメした日本の夏をおいしく元気に乗り切りたいですね。