夏の食べたい!栄養満点“つるむらさき”
“つるむらさき”とは、熱帯アジア原産のつる性植物で、主に中国南部から東南アジアにかけて、広く栽培されているお野菜で、歴史はとても古く、なんと2000年以上も前から食べられていたと言われています。香川の臼杵さんに教えてもらうまで、存在すら知らなかったお野菜。名前もなかなかとっつきにくいので、スーパーで見かけても買わない、そもそもあまり売っていないお野菜です。
原種は名前のとおり、茎(つる)の部分が紫がかった色をしていましたが、最近では、茎(つる)が緑色のものが多く流通しています。“つるむらさき”は、濃い緑色の見ためが表しているとおり、緑黄色野菜の一種で、同じく緑黄色野菜のほうれん草に匹敵するほど、栄養豊富なお野菜なのです。
旬は6月中旬から!夏に美味しい葉野菜です
ハウス栽培も盛んになり、今では一年中、店先で見かけるようになった“つるむらさき”ですが、もともとは6月中旬頃から夏にかけて旬をむかえるお野菜です。国内では、主に東北地方(福島県・宮城県・山形県)で盛んに栽培されています。旬の時期の露地物は特に栄養価もアップ・お値段もお手頃価格になりますので、ぜひ積極的に食卓に並べたいですね。つるむらさきは、同じく夏が旬の葉野菜“モロヘイヤ”同様、加熱すると出てくる独特な「ぬめり」が特徴です。この「ぬめり」の正体は「ムチン」という成分で、胃の粘膜保護や、胃腸の働きを助ける効果がありますので、食欲のなくなりがちな暑い時期に積極的に摂りたいです。
今注目の野菜!つるむらさきの栄養がすごいβカロチン&ビタミンもたっぷり!夏バテ予防にも。
つるむらさきには、ムチンのほか、皮膚や目・体中の粘膜を保護したり、免疫を高めたり、抗ガン作用も期待できるβカロテンや、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム・マグネシウムなどの微量栄養素も含まれています。特にβカロチンが不足すると、お肌のカサつきや肌あれ予防だけでなく、粘膜の乾燥が原因の感染症(風邪など)を防ぐ効果も期待できますので、暑さで体力を消耗しがちな夏場の体調管理のためにも、おすすめのお野菜です。
“つるむらさき”の美味しい食べ方は、まず独特のクセ・アクを取り除くため、熱湯でさっと茹でましょう。茎がしっかりとしているものは、先に茎を茹で(30秒ほど)てから、葉を入れるとちょうどよく茹であがります。お浸しや汁物の具にしたり、βカロテンは油との相性がよいので、さっと炒めるのもおすすめですよ。