ぶどうといえば、巨峰
ぶどうといえば、真っ先に浮かぶのが大粒で黒々とした巨峰。今でこそ皮ごと食べられるシャインマスカットや、赤い色の甲斐路など新しい品種をスーパーマーケットの店頭で見かけるようになりましたが、私が子供のころはぶどうといえば巨峰かデラウエアでした。
国の「特産果樹生産動態等調査」によると、生食用ぶどうは大粒系・中粒系・小粒系の3種があります。その中でも大粒系は赤・黒・白の分類があり、ぶどう全体では61種類もの品種があります。(H23年調査)その中で圧倒的な生産量を誇るのが巨峰です。作付面積でみると、ぶどう全体で15000haの畑があるうち、じつに5000ha、1/3が巨峰の畑なのです。
たねなし派?たねあり派?
品種改良がすすみ、いまでは「たねなし」の巨峰を多く見かけるようになりました。小さな子どもがいるご家庭では、種を飲み込んでしまう心配のない「たねなし」ぶどうはありがたいですよね。ちなみにこの「たねなし」ぶどうは、”ジベレリン”という植物成長ホルモンを付けることで果実を大きくする栽培手法です。ジベレリン自体はぶどう自体が自然に生成する物質なので安全面では問題ないと言われています。
一方で、味わいは「たねなし」のほうが一般的に濃くて旨いそう。言われてみると確かにそんな気も・・・
手をべたべたにしないで、おいしく食べる方法
大粒の巨峰は手で皮をむいて…と食べると、おいしいけれど手がべたべたになりますよね。子どもに食べさせるなら、なおさらべたべたになるのは避けたいところ。
1つは、つまようじを使って実を皮から外す方法。ぶどうの実の上部(房に近い側)をぐるりと皮と離すことで、簡単にたべることができます。手でむくよりも簡単で、べたべたになりにくくおすすめです。
上級者になると、1粒丸ごと口に入れて食べる方法も。口の中で軽くぶどうの粒を噛み、ぷちっと皮がはじけたら口の中で上手に皮と実を離して食べます。これが一番手を汚さず簡単。でも、子どもに教えるのは至難の方法。食べながら慣れるしかありません。
なお、巨峰を選ぶときには、白い粉が表面についているものを選ぶのがおすすめ。あの白い粉は「ブルーム」といって、果実に含まれる脂質からできた「ろう」のような成分です。ブルームがしっかりついている実ほど、新鮮でうまみの詰まったぶどうである証拠です。
暑い夏の栄養補給に、ぜひブルームのついた黒々と艶のある巨峰をお試しください。