ワインこそ地酒!能登のぶどうでつくる/石川・穴水町 小川浩さん

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石川県初のワイン造り

石川県鳳珠郡穴水町に広がるぶどう農園「有限会社北海道ワイン能登ヴィンヤード」。農場主の小川浩さんが、石川県で初めて加工用・醸造用ぶどう作りを始めたきっかけは、能登空港の開港でした。

当時石川県が進めていた「能登空港開港記念ワイン」を作るプロジェクトのパートナーに選ばれたのが、北海道ワイン株式会社でした。決め手は、100%国産のぶどうを使うことにこだわっていることです。石川県の農業振興につながり一石二鳥でした。

能登ワインヤード

農場主に選ばれた小川さんでしたが、能登はワイン造りには不向きな土地であることを実感します。赤土の粘土質で水はけが悪く、降水量が多い、しかも梅雨がある。

それでも小川さんはぶどう作りに邁進し、無事に「能登空港開港記念ワイン」をつくることができました。こうして能登でもぶどうが栽培できることが証明され、2000年3月に「有限会社北海道ワイン能登ヴィンヤード」が設立しました。

能登の気候や風土に寄り添って

小川浩さん能登ワインの作り方

ぶどう農家は一年中仕事があります。9月から10月に収穫を終えた後は、垣根の整備や補修を行います。11月から3月までの5か月間に剪定し、4月になると垣根を直しつつ新芽が出るのを待ちます。そして4月下旬から芽を育てていく作業になります。きちんと上に伸びていくように補助したり、病気を防ぐために消毒をしたり、下の草を除草したりします。6月中旬以降、受粉し粒が大きくなり房になっていくぶどうの手入れをしつつ、また収穫の時期を迎えます。

現在は15.9ヘクタールの土地に、10種類のぶどうを18000本栽培しています。ワイン造りには不向きといわれた能登ですが、ヤマソーヴィニヨンという品種は能登の土地に合ったぶどうで、糖度が順調に上がって色もしっかりと濃くなり、収穫量も安定しています。国産ワインコンクールで金賞を受賞し、能登のワインの質の良さを世に知らしめました。

メリハリのある働き方

現在、北海道ワイン能登ヴィンヤードでは社員4名、研修生2名の6名が働いています。就業時間は基本8時から17時で、日曜日と祝日は必ず休日、土曜日は仕事がなければ休みにしています。

小川さん自身は、ぶどう作りを始めてからの10年間、2人の子どもを育てながらほとんど休みなく働いてきました。「子どもがインフルエンザで保育園に預けられないときは、頭に冷却シートを貼ってトラックの後ろに寝かせ、その傍らで仕事をしていたこともありました。僕が大変な思いをしたから、きちんとした労働環境を作りたくて」と当時の苦労を振り返ります。

小川さんの今の夢は、農業面から能登のワイン作りを支えていくことです。「地元の土地で、そこの太陽の光を浴びて育った地元のぶどうがそのままワインになる。ワインこそ地酒だと僕は思うんです」

能登ワイン

ほとんどが北陸三県で消費されてしまう能登の“地酒”ワイン、是非一度飲んでみたいと思いました。

文:大曽根桃子


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