きゅうりの選び方

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きゅうりの旬と主な産地

パリッとした歯切れの良さと爽やかな香りが人気のきゅうり。サラダにしたり冷やし中華に入れたり暑い日に食べたくなる食材です。

きゅうり

今では通年当たり前に手に入る野菜ですが、1年の中できゅうりが最もおいしい時期は夏。全国的に広く栽培されていますが、主な産地は春夏は群馬県、埼玉県、千葉県、秋冬は高知県、宮崎県。国内生産量の6割ほどがビニールハウスなどの施設で栽培されていて、品種によって具体的な時期は異なりますが、6~9月頃に旬を迎えて露地ものが出回るようになります。

太陽をたっぷり浴びて育った路地栽培のきゅうりは、ハウス栽培のものに比べるとビタミンが2倍含まれているといわれています。きゅうりはほとんどが水分のため栄養野菜ではありませんが、旬の今だからこそおいしいきゅうりを選んで食べたいですね。

おいしいきゅうりの選び方

良いきゅうりとは・・・

  • 果実は円筒形で、型から花落ちまでの太さが均一なもの。
  • ヘタの切り口が黒っぽくなっていないもの
  • 表面のイボが白く尖っているもの
  • 重みがあってみずみずしく全体的にハリがあるもの
  • 表面の緑色が濃いもの
  • 傷やへこみがないもの

きゅうりは水分量が95%ともやしと同じくらい水分を多く含んでいます。傷みやすい食材でもあるためできるだけ新鮮なものを購入しましょう。水分が抜けたきゅうりは表面にしわがより萎びています。時々、真ん中あたりが細くなっているものを見かけることがありますが、太さが均一でないものは実の中の水分が下に溜まって「す」が入りやすくなってしまうため、できるだけ形は均一なものを選んだ方が良いでしょう。

きゅうりイボ

先端の花落ち(花が咲いていた部分)が膨らみ過ぎているものは全体的に味が良くないといわれています。多少の曲がりは、生育途中の栄養状態によるものなので鮮度や味には特に問題ありません。また、きゅうりといえばイボがあるのが一般的ですが、表面のイボがチクチク痛いほど新鮮な証拠。

最近はフリーダムというイボなしの品種もよく出回るようになりました。フリーダムは通常のイボがあるきゅうりよりも1~2㎝ほど短めで青臭みがなく皮は明るい緑色をしています。イボなしのきゅうりを選ぶ時は、表面がつるつるとなめらかで張りがあり、鮮やかな緑色のものを選びましょう。

「ブルーム」と「ブルームレス」

20~30年ほど前まできゅうりの表面には白い粉がふいたようになっていたものですが、今ではほとんど見かけなくなりました。その粉が「ブルーム」と呼ばれる果皮を保護するろう物質で、きゅうりが高温や乾燥などのストレスから自分を守るために果面に出しています。触るとベタベタしていますが、ブルームが付いていても食味には問題なく漬物にすると味が良いという声も。

このブルームは、きゅうりにとって鮮度やみずみずしさを保つ天然の保湿クリームのようなもの。鮮度が落ちてくると水分が蒸発してブルームもなくなっていきます。ブルームきゅうりは真っ白な方が鮮度が良いといわれています。皮がやわらかく食感も良いのですが、光沢がないため農薬と間違われることも多いことから昔に比べると人気が落ちてしまいました。

きゅうり選び方

一方で、「ブルームレス」は果皮にブルームを出さないきゅうりのことで、ブルームを出さない性質のかぼちゃの台木にきゅうりの若芽を接ぎ木してつくられたもの。この接木用台木品種がきゅうりの食味を落とす要因の一つでもあるともいわれていて、表面のろう物質がないぶん皮がかたく日持ちが良いことからブルーレスきゅうりが最近の主流となっていますが、ブルームきゅうりは昔ながらの懐かしい品種でもあり、一般的なきゅうりとは異なる食感やみずみずしさを味わうことができます。とても味が良いのでもし、スーパーや産直で見つけたら是非購入してみてくださいね。

きゅうりの見極め方には見た目だけでなく品種によっても異なってきます。きゅうりは食べる機会が多いだけに新鮮なものを選びたいですよね。購入する際は一度手に取りきゅうりをよく見ておいしいものを選びましょう。

文・野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ