菜の花の季節
暖かくなり春が来ると河川敷や畑など、いろんな場所で菜の花を見るようになります。若いつぼみや葉茎を食べる菜の花は、まだ肌寒さが残る季節に旬を迎え桜よりもひと足早く春を告げる春野菜です。菜の花といえば独特のほろ苦さが魅力でもありますが、その苦味に小さい頃は苦手だったけど大人になってから好きになったという方も多いのではないでしょうか。
菜の花の定番の食べ方といえばお浸しですがベーコンと一緒に炒めたり、パスタの具材や天ぷらなど和洋幅広く楽しめます。どちらかというと茹でたり炒めたりして調理することが多いと思いますが、生で食べられるのかな?なんて思ったことはありませんか。調べてみたところ、ほとんどの野菜が生のまま食べられるように菜の花も生で食べることができるようです。
そのまま食べてもおいしい「菜の花」
生でも食べられるという菜の花ですが、苦味があるからそのままではおいしくないのでは?と思ってしまいますよね。アブラナ科の野菜は小松菜、白菜、かぶ、など多種多様なのが特徴です。菜の花といってもたくさん種類があって少しずつ特徴も異なります。菜の花は「和種」と「西洋種」のふたつに大きく分けられますが、じつは選ぶものによっては食べやすい種類があったりします。
和種の菜の花
和種の菜の花は、主に花茎とつぼみ、葉を食べる花蕾タイプです。葉の色は、淡い色をしていて西洋種に比べて苦みがあるのが特徴です。京都の在来種「伏見寒咲花菜」が有名です。
西洋種の菜の花
西洋種は花茎と葉を食用とする菜の花で、つぼみは小さめでクセがなく食べやすいものが多いです。甘みがあるのも特徴で東京の伝統野菜の「のらぼう菜」や中国野菜の「アスパラ菜」や「紅菜苔(コウサイタイ」などがあります。
和種と西洋種に分けられる菜の花ですが品種改良したものもたくさんあり、その数はアブラナ科だけで世界に約35属3,000種類もあるといわれています。菜の花を生で食べた場合、苦味やえぐみ、青臭さを強く感じることもあるので苦手な方は甘みを感じられる西洋種の方を選ぶと良いでしょう。また、黄色い花が咲いてきた時も段々と苦味やえぐみが強くなってきます。花が咲いてももちろん食べることはできますが、成長してしまうと茎が筋っぽくかたくなってきてしまうので、おいしく食べるには咲く前のやわらかいうちに食べるのがおすすめです。
地元の産直で菜の花を購入して食べてみました。葉の縮れがなくて色も濃いような気がするので西洋種の菜の花でしょうか…?そのまま食べてみましたが、食感はやわらかくて甘みを感じます。少しだけの葉物の青臭さは感じますが食べられないほどではありません。ドレッシングを和えたらおいしそうだったのでサラダにしてみました。
切ってまぜるだけ!菜の花をサラダで食べてみよう
新鮮だからこそおいしい、菜の花を生のままおいしく食べられる菜の花のマスタードサラダをご紹介します。オリーブオイルや粒マスタードとの相性もぴったり!
材料(2~3人分)- 菜の花:100g(1/2束)
- オリーブオイル:大さじ2
- 粒マスタード:小さじ1
- はちみつ:小さじ1
- 塩胡椒:少々
①菜の花はそのまま食べるのできれいに流水で洗いしっかりと水気を切ります。
②根本のかたい部分を切り落とし、3~4㎝幅程度の食べやすい大きさにちぎるか切ります。
③酢、オリーブオイル、マスタード、塩胡椒を混ぜ合わせてドレッシングを作ります。
④菜の花にドレッシングを和えたらできあがりです。
茹でて食べた時の食感とは全く違うので、また違った楽しみ方ができそうです。意外と生でもおいしくいただくことができて、サラダにするとパクパク食べれちゃうほどの食べやすかったです。苦味が好きな方は和種の菜の花で試してみるのも良いと思います。茹でるのが面倒な時でもパパッと食べられるのも嬉しいですね。まだ菜の花を生で食べたことがない方は是非試してみて下さい。
春を感じる菜の花おにぎり文・野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ