かつお節の種類、削り方もいろいろ
和食の土台となる、かつお節。ひとことで、かつお節といっても、種類や製法、削り方はいろいろです。まず種類。大型のかつおを三枚におろし、節どりし、背身で作ったものを「雄節」、腹身でつくったものが「雌節」です。そして、小型のかつおを三枚におろしただけで作ったものが「亀節」。雄節はあっさり、雌節は、こくのあるだしがとれます。
次に、製法です。 茹でてからいぶして乾かしただけのものを「荒節」、それから、かび付けして干したものが「枯れ節」。あっさりした味わいのだしがとれるものが「荒節」、こくのあるだしがとれるものが枯れ節ですが、地域によって好まれるものも変わってきます。削り方については、大きく分けて、薄削りと厚削りがあり、使うお料理の用途によって、より細かく分けることができます。こんな風に、かつお節といっても、種類や用途はさまざまなんですね。
かつお節糸削りの特徴
今回は糸削りについて、ご紹介したいと思います。
糸削りのかつお節は名前の通り、糸のように細く削ったかつお節。 血合いを除いたものを削っているものが多く色も白く美しく、上品で軽い口当たりが特徴です。 旨みを活かすというよりは、お料理に華を添えるのが主な役割。今回は、糸削りを使って、これから旬を迎える菜の花を使った、おひたしをご紹介します。
かつお節の糸削りが引き立つ!菜の花のおひたし
かつお節の糸削りが引き立つ!菜の花のおひたし材料
菜の花:1束
塩
糸削りかつお節:適量
合わせ地
薄口しょうゆ:小さじ2
だし:200cc
かつお節の糸削りが引き立つ!菜の花のおひたしの作り方
①菜の花は茎の下の方を5㎜位切り、水に放ちしばらく置きます。
つぼみと茎の部分の、2等分に切ります。
②鍋にたっぷりお湯をわかし、塩を加えた熱湯で、茎、つぼみの順に1分弱茹でます。
③茹であがったらざるにあげ、冷水に放ち色止めします。すばやく引き上げ水けを絞り、しょうゆ洗い* をします。
(*しょうゆ洗い:茹でた野菜にしょうゆ少量をかけ、絞って下味をつける)
④器に菜の花を盛り、○を合わせた合わせ地をたっぷりとかけ、糸削りを天盛りにします。
糸削りと天盛り
天盛りとは、日本料理の盛りつけのひとつで、旬のもので季節を装ったり、香りや味わいを引き立てるものを散らさずに高く盛るように、添えることを言います。天盛りを添えることは、この料理に手を誰もつけていない、というもてなしの意味合いがあります。お料理や椀のあしらいに向くように削られた、上品で繊細で、お料理のさまたげにならない、糸削りは天盛りに最適。糸削り使いが上手くなると、お料理の盛り付けの腕がワンランクアップするかもしれませんね。
(写真・文 フードコーディネーター・ジュニア野菜ソムリエ 三木れいこ)