いりこだしの取り方で和食の基本をマスター

総合評価: 4.035 件のレビュー)

「いりこだし」の名前の由来

いりこだしは文字通り「いりこ」のだし。いりこは煮干しの関西地方での呼び名です。ほかにも、「へしこ」、「たつこ」、「たれ」などいろいろな呼び名で親しまれている食材です。和食には昔からなじみの深い食材である証拠ではないでしょうか。かたくちいわしを主原料とする「いりこ」のほかにも、うるめいわしの煮干しである「うるめ」、まいわしの煮干しである「ひらご」、最近ではあごという魚の煮干しも人気です。

いりこだしの名前の由来

ちなみに、いりことお正月にいただく「たつくり」は別物。
たつくりはかたくちいわしを乾燥させたもの。(写真左) 調理の際は火を通してから調味します。一方いりこは、かたくちいわしを煮熟(しゃじゅく)した後、乾燥させて作ります。(写真右) 一見そんなに違いがないのですが、いりこは高温のお湯でうまみをギュッと凝縮しているからこそ、おいしいだしがでるのですね。

市販の顆粒のだしの素と何が違うの?

いりこだし

手軽な顆粒だしを使い慣れてしまうと、手作りのだしってちょっとハードルが高い気がしてしまいます。でも、やってみると意外と簡単。今回はまるまる一匹の煮干しを購入したので、アタマと腹の部分(黒い部分)を取り除く「下処理」が必要ですが、下処理済のものもスーパーなどで販売されています。いりこの栄養がまるまる頂けるのが、一番の違いかもしれません。

いりこだしの取り方はいろいろ。

まずはオーソドックスに、下処理したいりこを投入して作る方法。鍋にお水といりこを入れてから、30分以上浸します。いりこがふやけたら強火にし、沸騰する前に弱火にして10分ほど煮込みます。最後に、クッキングペーパーや和手ぬぐいで濾して、できあがり。おいしく作るポイントは、沸騰させないこと。沸騰させると臭みがでてしまいます。作り置きすると味も香りも悪くなってしまうので、こちらは使い切りで。

いりこでだしを取る方法

次に、水出しのいりこだしを作る方法。
下処理したいりこを水の中に入れて一晩おくだけ。目安は、水1Lにいりこ50g程度です。生臭さを消すために、お酒を杯一杯程度加えるのがコツ。この方法なら、子どもと一緒に楽しみながらおだしをつくることもできます。

もう一つは、ミルサーで粉々にしてしまう方法。
お味噌汁に入れる時は、私はこれです。下処理をして、軽く炒ったら粉々にして水から入れてしまいます。いりこの栄養がまるまる摂れて簡単なので、お子様のいる家庭に特におすすめ。干ししいたけや昆布と一緒に粉末にしておくと、自家製の万能和だしのできあがり。保存もきくので、市販の顆粒だしと同じように使えて便利です。

にぼしいりこ出汁の取り方