とうもろこしの保存方法

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とうもろこしは鮮度が大事

地元の産直に行くと「朝もぎ」や「朝採れ」と書かれているのをよく見かけますが、とうもろこしは収穫した時が一番おいしく食べ頃だといわれています。「お湯を沸かしてから収穫しろ」とも言われるほど鮮度の落ちが早いため、購入したら早めに保存する必要があります。

とうもろこしは光合成でつくられた糖が蓄えられて甘くなりますが、収穫直後から実の糖分はでん粉へと変化し呼吸作用によってどんどん減少していきます。そのためどんなに新鮮で甘い品種でも時間が経つ毎に甘みがみるみる抜けていってしまうのです。特に気温が高い場所に置いておくのは要注意。

トウモロコシ

たった1日置いていただけで甘味が半減してしまうだけでなく、苞皮(ほうひ)の緑色が黄色くなり見た目までも悪くなっておいしそうに見えません。できればその日のうちに食べるのが理想ですが、購入してもすぐに食べないのであれば新鮮なうちに保存しましょう。

とうもろこしの保存方法

①購入するなら皮付きのものを選ぶ

とうもろこし皮は、実の水分を守る役割があります。乾燥を防ぐためにも皮付きの方が良いです。汚れた皮だけはがしてそのまま新聞紙かキッチンペーパーで全体を包んで鮮度保持袋や保存袋に入れます。

②立てて保存する

畑のとうもろこしを見たことはありますか?とうもろこしは茎から上に向かって実が生っています。どんな野菜も同じですが生育時に近い環境にすることでストレスなく保存することができます。

③低温で保存する

冷蔵庫などの低温下で皮付きのまま立てておくと糖度の減少を抑えることができます。常温でも保存できない訳ではありませんが、冷蔵保存した方がおいしさと鮮度をより保つことができます。

④新鮮なうちに茹でる

新鮮なうちに蒸すか茹でるかして粗熱をとりラップに包んで冷蔵庫へ。熱いうちにラップで包むと粒にしわが寄らずにきれいに保存することができます。冷蔵保存の場合、生のままだと2~3日しか日持ちしませんが、加熱したものは1週間ほど保存することができます。

冷凍保存でさらに長持ち

とうもろこしは冷凍保存が可能です。よりおいしさと鮮度を保ちたいなら冷凍がおすすめです。おいしいとうもろこしをたくさん手に入れたけどどうしても食べきれないというときはひとまず冷凍しておきましょう。保存期間も約3ヵ月程度と長く、ひと手間かけておくと使いたい時にそのまま使えて便利です。

丸ごと冷凍する

とうもろこしのひげの先端を切り落として皮付きのまま1本づつラップで包みます。さらに冷凍用保存袋に入れて冷凍します。食べる時は茹でるかレンジで温めます。

丸ごと

切り分けて冷凍する


少しかために茹でたとうもろこしを3~4㎝の輪切りにして冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。食べるときは冷蔵庫で自然解凍するかレンジで温めます。

丸ごと

実をほぐして冷凍する

茹でるか蒸すなどして、とうもろこしの実をそぎ落とします。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。実だけの状態なので凍ったまま調理できます。

バラ

ブランチングでよりおいしく冷凍

ブランチングとは、硬めに茹でたり蒸したりして表面のみを加熱処理した状態のことをいいます。ブランチングのメリットは冷凍体制を高めること。全ての野菜がブランチングに向いている訳ではありませんがとうもろこしの場合、表面の汚れを取り除いたり色や風味の保持、栄養の損失を遅らせたりする効果があります。


意外と日持ちがしないとうもろこしですが、新鮮なうちに正しく保存すれば長くおいしく食べることができます。茹でて保存するとそのまま調理に使えるだけでなく時短にもなり毎日の食卓で大活躍。まだまだとうもろこしがおいしい季節が続きます。新鮮なとうもろこしが手に入ったら今回お伝えした保存方法を是非試してみてくださいね!

文・野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ