サボイキャベツに取り組んだ30年が加美町の資産
JA職員で担当となり2年目の及川さんは加美町出身ですが担当をするまで、サボイキャベツを食べたことがありませんでした。「地元でもっと身近な食材にしていきたい」そのためには生産量を増やし、食べ方も伝えていかなければーと意気込みを語ります。
現在、加美町育ちの若い人たちは自分たちの町がサボイキャベツの産地であることを知っています。地元の小学生にはサボイキャベツの授業も行なっています。取材の機会も増えました。失敗を重ねながら30年を越えた今、中新田のサボイキャベツは農作物という枠を越え、町の文化として継承するものに変わり始めています。地元の人が地域で育む「町おこし」は次のステージに向かいます。
加美町特産!中新田サボイキャベツ
雪がちらつきそうな冬空の下で中新田のサボイキャベツは最盛期を迎えます。11月半ば〜クリスマスまでが収穫シーズンです。雪が積もってしまうと、葉の色が変色し味も落ちてしまうため、雪が降らないギリギリの寒さで収穫するのが、中新田サボイキャベツの美味しさの秘訣です。
今では築地でも定着して来た中新田のサボイキャベツは、時期になると仲買さんから「中新田サボイ、そろそろ?」と声を掛けられるようになりました。
生産者は十数名。長い年月をかけて「中新田」の名前をじわじわと広げているのですから驚きます。出荷されるダンボールに刻まれた「中新田」の文字は信用の印です。「“継続は…”っていうやつだね」門脇さんは謙虚な姿勢を崩しませんでした。
絶対に失敗しないロールキャベツ
加熱して食べる『サボイキャベツ』はじっくり煮込むほどその美味しさが楽しめます。沸騰したお湯にさっと入れると海苔のような黒緑色は鮮やかな緑に変わります。忙しい主婦・主夫のみなさんには更に朗報です!煮込んでも煮崩れません。葉モノ野菜を茹でる時「ながら仕事」でちょっと目を離したらクタクタになってしまった…という失敗が絶対に起こり得ないのです。
煮崩れ知らず、繊維まで柔らかく筋が残らないサボイキャベツは100歳のおじいさんに「美味しい」と喜ばれたというお墨付きです。
おしまいにサボイキャベツの食べ方として、定番ですが私は『ロールキャベツ』をオススメします。具を包むときに破ける心配もなく、煮込む間に裂けることもありません。料理好きの方であれば「これまでの苦労は何だったの!」と思うはずです。お子様と一緒に作る一品としても間違いありません。
冬の寒い日に、じっくり煮込んだ手作りロールキャベツをご家族、大切な人と一緒に食べてみてください。きっとあなたも『サボイキャベツ』のファンになるはずです。
手探りで育て始めた「サボイキャベツ」