そら豆の茹で方~さやと皮の扱い方まで~

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そら豆は新鮮なほど美味しい

春から初夏にかけて天に伸びるように育つそら豆。豆類は新鮮なほど美味しく、とくにそら豆は「そら豆三日」というように美味しいのは収穫後3日以内です。

そら豆はさやの色が淡い緑色で、豆の皮はしわがなくふっくらしているものを選びましょう。さやが黒いと中の綿までグズグズになっているので注意してください。黄色い皮の豆は熟れているので食べられます。

そら豆のさや開き

さやから出すと鮮度が早く落ちるので、できれば、さやつきを購入するとよいでしょう。茹でたてのそら豆は格別です。青く甘い豆の香りとほくっとした食感は初夏の訪れを感じさせます。

そら豆の茹で方

鮮度が命のそら豆なので、早めに味わいましょう。時間や塩加減、下ごしらえに気を配り、あつあつを食卓にお持ちください。

1.さやから豆を出す

そら豆の端をぽきっと折って筋をひくと、さやが半分に分かれやすく、豆が出しやすいです。

そら豆のゆで方

2.豆の下ごしらえ

取り出した豆を洗い、豆についている黒っぽいラインの部分「おはぐろ」の反対側に包丁の刃元で、1.5〜2㎜くらいまで刺して切れ込みをいれます。

そら豆茹でる

3.そら豆をゆがく

沸騰したお湯800mlに塩大さじ1を入れて豆をいれます。再沸騰したら豆がゆらゆら揺れるくらいの火加減にして、1分半経過したら茹でている豆を一つとって茹で具合を確認します。好みの柔らかさになっていたら湯から取り出します。まだ硬ければ30秒~1分半程追加で茹でます。

4.そら豆を冷ます

ゆで上がったらざるに上げ、うちわであおぎます。(うちわであおぐと茹で上がりの色が鮮やかになります。)

5.完成!

切り込みを入れたところから、指で押し出して皮をむいて食べます。

美味しいそら豆

そら豆を茹でるときのポイント

  • さやをむいて豆に切り込みをいれるのは火の通りをよくし、塩味がしみやすいようにするためです。塩味がそら豆のそのものの美味しさを引き立ててくれます。(茹でた後に蜜煮にするときは、はさみで切り込みを入れるだけで十分です。)
  • 茹で時間は豆の状態で変わります。しっとり食感の豆は1分30秒~2分半、ホクホク食感の豆は 2分半〜3分。

豆の食感のちがいは収穫時期の違いです。収穫時期が早いものはしっとり柔らかく、遅いものはホクホクした食感です。さやの色で見分ける場合は、さやが鮮やかな緑色で豆のラインが緑や白っぽくなっているものはしっとり食感。さやが少し茶色く、豆に黒くはっきりと「おはぐろ」のラインが出ていればホクホクの豆です。全てのそら豆に適する茹で時間があるわけではないので、茹で上がる目安の時間の少し前に豆を一つ取り出して確認して下さい。

実はアリ。さやごと茹でること。

さや入りそら豆

基本的にはさやをむいて茹でますが、さやごと茹でることはできないのでしょうか?さやごとグリルすると美味しいですが…?

答えはさやごと茹でられます。さやごと茹でる際には、さやに、はさみで切り込みをいれ(これはさやの中に塩気をいれるためです)大きめの鍋(お湯1.5ℓに塩大さじ1 1/2)で3分〜4分茹でます。

豆だけを茹でると、小さい鍋で短時間で茹で上がり、茹で上がりが確認しやすく、塩味なじみやすいよさがありますが、さやごと茹でると、豆がさやの中にあるままなので鮮度を保ったまま茹でられます。また豆にしわがよりにくく、湯の中に豆の味が逃げるのを防ぎ、豆本来の味を楽しめます。

茹でたてそのままでも立派な1品に。その他にも蜜煮やスープ、炒め物にも。そら豆の旬は体調を崩しがちな梅雨時期にかかります。そら豆は昔から体力、気力を充実させるために食べられてきたといわれています。ぜひこの時期に召し上がってください。

そら豆

(文・写真・イラスト/ほし まさみ)