栄養を逃がさない「あく抜き」でごぼうを美味しく

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ごぼうを食べる下ごしらえ

煮物、きんぴら、サラダなど、一年を通して美味しくいただける「ごぼう」は、美容と健康の強い味方。根菜類の中でも特に食物繊維が豊富なことが知られており、便秘や腸内フローラの改善にもよいと言われています。

古くから薬膳としても取り入れられている上、現代では「ごぼう茶」がダイエットやむくみ対策として話題になるほど、ごぼうの栄養効果は高く評価されています。そんなごぼうの栄養効果を最大限に生かしながら、美味しく調理するための、あく抜きの方法をご紹介します。

ごぼうあく抜き

ごぼうをあく抜きしても、栄養素をできるだけ残したい

ごぼうのあく抜きの目的は、えぐ味や雑味、土っぽさを取り除くことに加え、変色を防ぐ役割もあります。ごぼうは、切ると途端に変色が始まってしまいます。これは、切ったごぼうが空気に触れて酸化が始まってしまうためです。黒ずんだ色が気になる場合は、まな板の脇に水の入ったボールを用意しておき、切ったそばからボールへ移していくようにしましょう。

ごぼうのあく抜き

ごぼうを漬けたボールは放っておくとあっという間に水が茶色くなっていきますが、これは、あくによる変色ではではありません!この変色はポリフェノールが溶けだしているから。ワインやコーヒーに多く含まれるポリフェノールは「抗酸化作用」「抗菌作用」「疲労回復」など健康と美容によい栄養素。水に漬ける時間が長くなると、その分ポリフェノールが溶け出てしまいます。あく抜き時間は2~3分を限度に、さっとザルにあげて調理しましょう。

また、ごぼうを煮物などにするため長時間調理する場合、下処理であく抜きをしても、煮ている間に再びあくが出てしまう場合があります。そこで、煮物の具として使う際は、米のとぎ汁でごぼうを下茹でする事をオススメします。ごぼうを浸した米のとぎ汁を、冷たい状態から火にかけ、沸騰させて1~2分ほど茹でます。下茹でする事でごぼうが柔らかくなるのに加え、この方法で十分なあく抜きができるので、調理中にあくが出てしまうのを防げるのです。

季節によって変わるごぼうの味わいを楽しむ

ごぼうの旬

ごぼうの旬は「秋の終わりから冬」と言われていますが、実は一年中美味しくいただくことができます。冬のごぼうはしっかりと固く、うま味の濃いのが特徴で、春から夏のごぼうは柔らかくあっさりした味わいです。上手に調理して毎日の食事に取り入れ、季節ごとの違いを楽しみたいですね。

文・写真/コバヤシミズキ