家庭料理の定番中の定番、きんぴらごぼう
きんぴらごぼうと言えば、味が滋味なら色も地味。家庭料理の定番中の定番です。そんなきんぴらごぼうですが、いくつかの食材をプラスして、切り方を少し工夫するだけで、彩り鮮やかなおもてなし料理にもなります。
「彩りの良い食材をプラスする」
用意するのは、ごぼうとニンジンに加えて、パプリカ、レンコン、絹さや。パプリカの代わりに赤ピーマンでも良いですし、絹さやの代わりにインゲンでも。きんぴらの甘辛い味は、幅広い食材となじむので、彩りが良く歯ごたえのある食材であれば、冷蔵庫にあるものや手に入りやすいものが色々と使えます。
きんぴらごぼう、食材の下準備
ごぼうは、皮の部分に独特のうまみがあります。美容にも良い抗酸化成分も皮に近い部分に集まっているので、タワシでやさしく擦って汚れが取れれば十分です(写真右)。プロの中には、皮の部分だけを使って中心は料理に使わない、という人もいるそうです。新ごぼうであれば香りも抜群です。
「ポイント1:大きさを揃えて切る」
きんぴらを見た目良く仕上げるポイントのひとつが切り方です。すべての食材を、できるだけ同じ太さと長さに刻みます。例えば、ごぼうの長さ。はじめにニンジンを均等分しておいて、その長さに合わせてごぼうの長さを決めていきます。
長さを決めたら、ごぼうとニンジンは3ミリ程度の拍子切りにします。太すぎず細すぎず、見た目と歯ごたえの好みで刻みます。
他の食材も、できるだけ同じ大きさにしていきます。レンコンは厚みを揃えてイチョウ切りにします。
きんぴらごぼうの作り方
「ポイント2:別々に炒める」
固さの違う食材を同じ大きさに刻んでいるので、それぞれに最も歯ごたえ良く仕上がるよう、ひとつひとつの食材を別々に炒めます。大きなフライパンが必要なく、強火で少ない量を炒められるので食感も良くなります。
ニンニクと唐辛子を入れた油で、しっかりフライパンを加熱しながら炒めていきます。食感を確かめながら、八割がた火が通ったら大きめの鍋に移して、次の食材を炒めます。食材の回数だけこれを繰り返します。
すべての食材を炒めたら、鍋を火にかけて味付けをします。ここではじめて、全ての食材を混ぜ合わせます。砂糖、酒、醤油のバランスはお好みで。砂糖は多めに入れた方が、おもてなし料理には向いています。逆に醤油は少なめにして、色が濃くなりすぎないようにします。最後にゴマ油をかけて香りを付けます。
お皿に形良く盛りつけたら、塩ゆでしておいた絹さやと、軽く煎ったゴマを振りかけてできあがり。絹さやは、きんぴらごぼうが少し冷めてからのせると、鮮やかな緑が失われません。
新ごぼうなどの根菜のうまみと甘辛醤油の味わいに、お酒もごはんもすすみます。ニンニクとゴマ油も効いています。このきんぴらごぼうに塩むすびを詰めれば、彩り鮮やか。春の行楽弁当にもぴったりです。
写真・文:伊藤陽子(ヨウデザイン)