若ごぼうを守っていく/大阪・八尾市 結城拓也さん

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根・軸・葉全て食べられる若ごぼう

「若ごぼう」、みなさん食べたことはありますか?
私は、結城拓也さんのゆうき農園を訪ねて初めて、若ごぼうに触りました。

八尾の若ごぼう

若ごぼうとは、江戸時代の献立に名前が出てくる伝統的な野菜で、大阪府八尾市の特産野菜の一つです。八尾の砂地の土地と合っていると結城さん。ほかの地域では「葉ごぼう」という名前で呼ばれています。

早いものだと、ハウス栽培で1月から収穫が始まります。3~4月中旬が味も香りも良くなる時期です。ごぼうと名前についているので、根っこの部分を食べると思うと思いますが、なんと若ごぼうは根・軸・葉の全て食べることができます。その中でもメインは軸の部分。

大阪伝統野菜

シャキシャキとした食感とフキのような味の美味しさがあり、煮びたしやすき焼きやパスタにも使うそうです。根の部分は普通のごぼうよりも柔らかく、葉はほろ苦さが特徴です。

若ごぼうの茎ごぼう

矢束にすることの意味

結城さんは5代目の農園主。若ごぼうの他にも枝豆や菊菜を作られています。私たちが訪ねていくと、ハウスと畑を見せてくださいました。そこには若ごぼうがいっぱいです。若ごぼうは育てるのは難しい分類ではないが、変色の可能性があるので、朝早くなど露がある時間帯は収穫は避けるそうです。お昼の乾いている時間が収穫する最適な時間で、1.2時間かけながら丁寧に収穫されています。

若ごぼうの収穫

収穫後は作業場で一本ずつ丁寧に掃除していきます。実際に収穫したものをその場で素早い手さばきで根っこの部分を綺麗にしていく様子を見せてくださいました。

若ごぼう

そして、綺麗にした若ごぼうを大小組み合わせながら、八尾若ごぼうの特徴である「矢束」状にします。

大阪八尾の若ごぼう

弓矢の矢に見えませんか?江戸時代からこの形状にしているそうです。一本一本丁寧に処理されているのも目に見てわかりますし、品質管理の高さを感じます。

若ごぼうを守っていく

結城さんに「今後、どうしていきたいですか?」と聞いてみました。
その答えは「若ごぼう、枝豆と2つ特産物があるところは珍しい。そんな八尾にいる限り、それらを守っていきたい。」とのこと。

実際、若ごぼう農家さんが減りつつあるといいます。結城さんは認知度の低い八尾若ごぼうをもっと知ってもらいたい!という思いがあり、情報発信や若ごぼうを飲食店で使ってもらう事を意識されているそうです。例えば、フレンチやイタリアンのお店で若ごぼうのコースを食べるイベントや収穫体験ツアーなどをされています。また枝豆も、大阪の大学生と枝豆味のポップコーンを共同開発したりと外とのつながりを積極的にされている様子が伺えました。

お土産で頂いた若ごぼうを家に帰って、「一番のおすすめ」と言われた天ぷらにしていただきました。

若ごぼうの天ぷら

人生初の若ごぼう!ごぼう部分は柔らかくてほくほくしてましたし、茎の部分も全然筋っぽさはなく、シャキシャキとした食感と衣のパリパリ感が合わさってとても美味しかったです。

天ぷら

結城さんの若ごぼうは、「野菜の澄んだうま味がある」と評判で、リピーターさんが多いそう。そしてそんなお客さん一人ひとりを大事にされている様子が、結城さんとお話していて感じました。
若ごぼうを守っていきたい、そんな熱い思いと結城さんと優しい人柄によってゆうき農園で育った若ごぼうたちは美味しく育っているのかもしれません。
みなさん、若ごぼうを見かけたら是非手に取ってみてくださいね。

文・写真 肥田智子