いちじくの見分け方とは
とろんと柔らかくて、ほわっと口に広がるフルーティーな香りが魅力的ないちじく。プチプチした食感も楽しいですね!美味しくてついつい何個も食べてしまういちじくですが、以外と美味しい見分け方を知らない方が多いのではないでしょうか?そこで、今回は、美味しいいちじくを見分けるポイントをお伝えしたいと思います。
いちじくを選ぶ時のポイントは、まず、大きさと形、あと色付き具合を見ること。良いいちじくは、皮にハリがあり、まん丸で大きく、ふっくらとしていています。全体が赤く色付いて、おへその部分が開いてきたら完熟したしるし。大きく割れてしまっているものは雨を沢山吸って割れたものだったり、熟しすぎてしまったものです。裂けない程度にほどよく開いているくらいのものがベスト。皮や果肉の赤い色は高酸化物質のポリフェノールの一種のアントシアニン。しっかりと色付いているものを選ぶこともポイントです。
いちじくの白い樹液は新鮮なしるし
いちじくの実を切ると軸の部分から出てくる白い液体が出てきます。これはいちじくの樹液で、成育中に葉や実、枝にある乳管細胞が切ったり傷つくことで出てくる乳液。収穫したばかりのいちじくにはまだ樹液が残っています。鮮度を見分けるにはヘタの切り口を見てみましょう。乾燥していないものは新鮮なしるしです。
触るとかゆくなる・いちじくの樹液の正体
いちじくの白い樹液を触るとかゆくなることがあります。これはいちじくの樹液に含まれているフィシンが皮膚の粘膜を刺激する為。フィシンはタンパク質分解酵素でお肉などの軟化剤などにも利用されている成分です。凝固作用もあり、ギリシャ時代初期の頃はこの凝固作用を利用して、いちじくの樹液でミルクを固めてチーズを作っていたんですよ。
いちじくと天気と美味しさの三角関係
先日伺ったいちじく農家の山口さんに「晴れの日が続いた時に収穫したいちじくが美味しいよ」と教えてもらいました。いちじくは曇りや雨が続くと、実が水っぽくなったり、なかなか赤く色付きません。美味しいいちじくに育つには日当たりが大切です。太陽のエネルギーをいっぱい浴びたいちじくは大きく育ちしっかり赤く色付きます。収穫時、天気が良い日が2~3日続くとほどよく実の水分が抜けて、甘みが濃縮され、美味しいいちじくになるそうです。「収穫時の天気」も美味しいいちじくの見分け方のひとつです。
畑で食べる完熟いちじくの味/愛知・大府市 山口茂樹さん文・野菜ソムリエ・ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ