一番シンプルに栗を食べる
秋の味覚、栗。赤や黄色の落ち葉の上にイガイガがぼとぼと落ちている情景が目に浮かびます。間から見えているのは〝くりぼう〟と思わずよんでしまうような、ころりんとした可愛い形の栗。野菜に季節感がなくなっている昨今ですが、栗は秋感をめいっぱい漂わせていますよね。
この栗を一番手軽に食べるなら、茹で栗でしょう。昔ながらのおやつですよね。大人になっても上手にスプーンですくえるかと、一個一個を試行錯誤しながら食べています。茹で栗を作る時に、今まではやっとこ鍋(雪平鍋)で茹でていたのですが、土鍋で茹でると美味しく出来ると聞きつけ、初めて試してみました。
茹で栗の作り方
茹で栗の材料
- 栗:適量
- 塩:水1Lに大さじ1/2くらい
栗を水煮浸す
栗は半日程、水にひたしておきます。これは皮を柔らかくするためです。また中の虫を出すためということも、虫が出たことはないのですが…。皮が柔らかいと剥きやすくなります。
栗を土鍋に入れる
水から出した栗を土鍋にいれて、ひたひたよりちょっと多いくらいの水をいれます。およそ水の1%くらい塩をいれます。
栗を茹でる
火にかけます。最初中火、沸騰したら、栗が湯の中でコトコト音をたてているくらいの弱火で20分程茹でます。
一つ取り出して、柔らかくなったか確認してください。柔らかく茹ですぎると皮を剥くときに崩れてしまいますので柔らかくなりすぎないように気をつけて、火を止めてください。
できたらそのままの状態であら熱をとります。(余熱ですこし柔らかくなります)しばらく塩水に入れておくことで、栗自体に塩味がはいり、甘みを引き出してくれます。
できた栗を包丁で半分に切ってスプーンですくって食べます。一番シンプルで簡単な食べ方です。小さなお子さんに、実と渋皮の間にスプーンを入れて掬い上げるのはちょっと難しいかもしれませんね。そんな場合は剥いてください。
皮をむく際は頭から包丁をちょっと差し込んで、面にそって剥いてください。実と渋皮の間に包丁を入れて手前に引くとぺろっとむけます。(渋皮がとれなかったら渋皮も剥きましょう)栗の底の部分を切り落としてから実と渋皮の間に包丁を入れて剥く方法もあります。生よりも渋皮が柔らかくなっているので大変剥きやすいです。
栗はそれひとつでお腹が一杯になるわけでないので、適量・食べやめのタイミングはいつ?と、これで最後これで最後と言いつつ、ついつい食べてしまいます。食べ進むことに味の変化が欲しくなり、バターを上にのせたり、小豆をのせたり、きな粉をのせたり…和スイーツにして楽しむことも。
栗を茹でるのに土鍋がいいのはなぜ?
今回土鍋にして発見したのはほっくりとした食感になり甘みが増すということです。茹でると、実に水分が多く含まれて、べちゃっとした食感になることもありました。
しかし、今回土鍋で茹でたら食感まで美味しく、また栗の味がしっかり甘くできました。これは土鍋の特徴〝おだやかな発熱作用で熱が素材に入るのがじっくり〟だからだそうです。土鍋がお家にあったらこの“じっくり加熱”で栗を美味しく召し上がってみませんか?
(文・写真・イラスト/ほしまさみ)
秋を味わう、栗ご飯の作り方