らっきょうの旬は6月
初夏を彩るあじさいが咲き始める頃に、ほんの一時だけ市場に出回る野菜があります。さて、なんでしょう?
答えはらっきょうです。
加工された市販の甘酢漬けなど一年中目にするらっきょうですが、その旬は6月。味付けのバリエーションも広がる、塩漬け(下漬け)のストックを作っておけば、便利にいつでも美味しく食べることができます。この旬の時期にひと手間かけてみませんか。
らっきょうは届いたらすぐに塩漬けに
「届いたらすぐに塩漬け(下漬け)に」
今年使ったのは、鳥取の砂地で栽培された根付きらっきょう。注文すると掘った当日に出荷され、次の日には手元に届くという産地直送便です。
らっきょうは生長力が強く、常温で放っておくと茎の切り口からすぐに芽が伸びてしまいます。届いたらすぐに塩漬けに!が鉄則です。ところが今年、タイミング悪く次々と降り掛かる急用に、箱を開けたのはなんと二日後…。恐る恐る開いてみると、やはり、新芽が出ています。実を半分に切ってみると、何とか間に合ったよう。気を取り直して作業再開です。
らっきょうの漬け方
「根付きらっきょう」
根付きらっきょうは、根を切っていないので、切り口からの痛みがなく、砂が付いているので、水分が蒸発しません。砂はサラサラとして水に沈むので、洗い落とすのは意外と簡単。子どもでもきれいに洗うことができます。ひとつだけ気をつけるのは、らっきょうが水を吸ってしまわないように、素早く洗うこと。ざっと砂を落としたら、すぐに水から上げていきます。
「根と茎は切りすぎない」
ざっと砂を落としたら、根と茎を長めに切り落とします。塩漬け(下漬け)の時、実の部分まで短く切り落としてしまうと、カリカリの歯ごたえが失われるので気をつけて。子どものお手伝いなら、工作ハサミでザクザク切り落とすくらいで十分です。根と茎を切りそろえたら、汚れた薄皮を取り除きながら、細かい砂を洗い落とします。
「まとめて塩漬け」
ザルに上げて水気を切ったらっきょうを10%の塩水に漬けて一週間。塩抜きしてそのまま食べても良し、薬味として使うのも便利です。定番の甘酢漬けやしょうゆ漬けも、こうして塩漬け(下漬け)してから本漬けすることで味がしっかり馴染みます。一手間かけたぶん、美味しさが違います。
写真・文:伊藤陽子(ヨウデザイン)