「黒豆味噌」〜プレミアム味噌を手作りで!

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黒豆と麦麹で作る個性的な味噌作り

「今年はどんな味噌にしようかな。材料は何処で仕入れようかな…」
味噌作りのシーズン(1月末から2月にかけて)が近づくと、なんとなく気忙しくなります。
「豆・麹・塩」シンプルな組み合わせから出来る味噌。だからこそ、素材選びは慎重に。
香川県の入江こうじさんから「大豆」と「米麹」「麦麹」、臼杵農園さんから「黒豆」を仕入れ、準備万端!「大豆×米麹」「黒豆×麦麹」2種類の味噌を作りました。

「黒豆で味噌?」珍しいかもしれませんが、コクがあり非常に美味しいのです。さらにこの時期だけ手に入る「麦麹」を使って、他にない個性的な味噌を作ります。これぞ手作りの醍醐味。味噌作りに少し冒険したくなったら、ぜひお試しください!

黒豆味噌の材料

【ほどよい甘辛の中期熟成】
味噌の熟成期間は配合具合で変わります。短期熟成の物は1ヶ月くらいから食べられますが、保存の期間は短いです。今回は熟成期間そこそこで、日持ちもする物に。豆と麹が同量、塩が半量の比率です。これは他の豆、麹を使用しても、甘すぎず、辛すぎず出来上がります。

【黒豆味噌・材料】
○黒豆1kg
○麦麹1kg
○塩500g

初めての方に…全て半量にすると量は減りますが、作りやすいです。もちろん米麹でもできます。過去に玄米麹で仕込んだこともありました。

麦麹

▲麦麹

黒豆

▲水につける前の黒豆

黒豆味噌の作り方/仕込み方

【仕込み方】
どんな味噌でも基本はこの仕込み方です。味噌を入れる容器はアルコール消毒(ホワイトリカーなどで拭く)しておきます。

1.黒豆を炊き上げる

・黒豆を洗い、3倍くらいの水に一晩吸水させる。
・圧力鍋で炊く

〜鍋〜
黒豆を3倍くらいの水(ひたした水を使用。旨味が溶けていそうなので)を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火に。カニの泡のように出るアクをすくいながら、指でつぶれるくらいの柔らかさにすします。(4〜5時間)

〜圧力鍋〜
圧力鍋で炊く場合、注意したいのがアクです。まず鍋に黒豆と水を入れ沸騰させ、アクを取ります。その後に圧力鍋にいれて炊きます。圧力鍋の種類によって異なりますが、使用した鍋(フィスラー)は2〜3分くらいで柔らかくなりました。先にアクを取らないと泡が噴出し惨事になるのでご注意を!(圧力鍋で豆を炊く使用方法はメーカーによって違うかもしれません。フィスラーは豆は鍋の1/3まで、水分量はMaxのラインまでにし、落としぶたをします。加圧後弱火にして2〜3分)

黒豆の煮汁はとっておきましょう。
全てを合わせるときに柔らかさや温度調節に使う事があります。

炊き上がった豆

▲炊きあがった黒豆です。

2.塩きりする

麹をほぐしバラバラにする。分量の塩をもみ込む。(これを塩きりという)麹、ひと粒ひと粒に塩を(まるで麹が塩のキラキラベールをまとうようにように)まぶします。

塩きり麹

▲塩きり麹

3.黒豆を潰す

↓例えばこんな方法で潰してください。

すり鉢

▲すり鉢

袋に入れてつぶす

▲ビニール袋に入れて綿棒などで叩き潰す

その他に…
・ミキサー
・ボウルに入れてマッシャーで潰す

4.黒豆と塩きり麹を合わせる

麹と黒豆を混ぜる

▲混ぜ合わせた状態です

 黒豆、塩きり麹を丹念に混ぜ合わせます。黒豆が冷めてしまっていたり、混ぜた時に硬かったら60度くらいの煮汁をいれて調節。味噌くらいの柔らかさにします。

黒豆味噌イラスト

▲「美味しくなりますように」味噌玉作りは愛情混めて

 それを野球ボールくらいの大きさにして、容器にボンボンと投げ込み(空気を抜くように)詰め込んでいきます。上面を平らにし、ラップをかぶせ、重しをします。
(少ない量でしたら、容器はタッパーやジップロックなどで。この場合重しはなくてもで出来ます。私は野田琺瑯の容器を使用して2kgの重しをしました)

容器に入れる

▲容器に入れて上面を平にします

琺瑯容器

▲蓋をして涼しい場所に置きます。


5.様子を見る

1ヶ月くらい経ったら、重しを外してかき混ぜます。水分があがっていたら混ぜ込みます。
重しは半分の量にします。
毎月1回かき混ぜましよう。作りかけの味噌は出会う度に、表情を変えていきます。
香りも俄然よくっていき、毎月々が楽しみになります!
カビが生えてしまったらとりましょう。夏場は特に要注意。

そしていよいよ!涼しくなった秋頃、食べごろになるでしょう。他の時期でも仕込みはできますが、寒い時期に仕込むことが多いようです。それは日本の風土に合っているからでしょうね。気温の変化で発酵熟成は、ゆっくりから徐々にすすみ進み、またゆっくりになります。この変化が美味しさを生むのです。

全国味噌分布図が出来るほど、地方色ゆたかな味噌。その一部に我が家の味の「手前味噌」も加えてみてはいかがでしょうか?

(文・写真・イラスト/ほしまさみ)