野菜も部位を選んで使う
11月に入り、朝、窓を明けると空気がピンと張り詰めるようになりました。気温が下がり朝晩、霜が降りると葉野菜は甘みを増してきます。このようにストレスがかかってくる11月中旬から本格的な寒さを迎える前、12月中旬まで美味しさのピークです。
さて、冬の葉野菜の代表といえば白菜。これからの時期、鍋料理や蒸し煮、スープのような身体が暖まる料理によく使いますが、和え物や漬け物、サラダなどにも大活躍します。白菜も、料理によって、使う部分(部位)を選ぶと、美味しさに差が出ます!思えば、肉は料理によって部位を選んで買いますね。それは部位にそれぞれ特徴があり、料理にあった部分を使う方が美味しいからですね。それは野菜も同じです。
白菜、4つの味との出会い
白菜は大きく分けて、4つの味、食感の違いがあります。まず、この特徴を確認してみましょう。
外葉(緑が濃い部分)
ほのかな苦味があり、繊維が太い。張りある食感。
白菜の内葉(黄緑色がかった部分)
ほのかな甘みとほろ苦さのバランスがとれた味わい。やわらかな食感。
中心(葉が閉じた黄色の部分)
甘みが強い。 火を入れるとさらに甘みが増す。繊維までもやわらかい。
芯(根元の切り口)
根元をよく洗って、オーブンなどで水分を飛ばすようにじっくり火を通すと甘みが増す。
白菜の部位を仕分けて、料理に生かす
部位に切り分けて保存すると便利です。それぞれの部位の味と食感が活きる料理にすれば、
もっと白菜料理が美味しくなります。
1.外側の葉→
油との相性が良く炒め物に最適。
煮物、クリーム煮やグラタンなどにも。
2.内側の葉→
煮物・鍋物に最適。
内側の芯は、蒸し物、甘酢漬けに。
せん切りにしてさっとゆで、酢じょうゆにつけて食べてもおいしい。
3.中心の葉→
サラダ・汁物・グラタンなど。
中ほどの葉は、鍋物や、炒めて八宝菜などにも。
ゆがいて柑橘系しょうゆで食べてもおいしい。
4.芯→
オーブン焼きすると、まるで白菜のステーキのようになる。
白菜を丸ごと買うのは消費しきれない、冷蔵庫に入らない…そんな声が聞こえてきそうですが、この写真のような小振りの白菜や最近では、さらに小さいサイズもあります。これなら丸ごともあっという間に使えそうです。この冬は様々な白菜料理に挑戦して、定番の鍋料理では味わえない、香り、食感、甘みを堪能してはいかがでしょうか?
(文・写真・イラスト/ほしまさみ)