シンプルに味わうさつまいものおやつ
今や1年中出回っているさつまいもですが、店頭に山になったさつまいもを目にすると、いよいよ秋を感じます。芋掘り遠足のお土産で「なに作ろうか!?」と親子で頭を悩ませるのもこの時期のお楽しみですね。スイートポテトや大学芋などお芋のおやつは文句なしの美味しさですが、忙しい時にはちょっとおっくうになってしまいます。
手間をかけない日常的なおやつには「ふかし芋」がおすすめです。ふかし芋にバターをつけて熱々をいただくのは最高です。クリームチーズを添えてハチミツをかければ、シンプルなお芋のおやつができあがり。
ところで「蒸す(ふかす)」ってどうやるの!?
漢字で「蒸す」と書いて、読み方は「むす」と「ふかす」の二通りがあります。どちらも蒸気で加熱するという意味ですが、「ふかす」には「やわらかくする」という意味合いが含まれるそうです。だからさつまいもは「ふかし芋」と呼ばれるのです。
ふかし芋の作り方は簡単!セイロや蒸し器がなくても大丈夫。鍋の底に少し高さのある小皿を置いて、ギリギリまで水を入れます。小皿の上に網や平皿(今回はステンレスの落し蓋を使用)を置きます。
洗ったさつまいもを並べて火にかけ、さつまいもに箸がすっと通るまで強火で蒸します。途中、湯がなくならないよう様子を見て鍋肌から湯を足しましょう。
どうして「ふかし芋」が美味しいの!?
手軽に加熱するには電子レンジ!蒸すよりも茹でる方が手早いのでは?と感じるかもしれません。けれど、ふかし芋にはきちんと美味しくなる理由があり、さつまいもに含まれるでんぷんと酵素が関係しています。酵素がでんぷんを分解することで甘味成分がうまれるのです。
デンプンがやわらかくなって酵素が活発に働く温度は70℃くらい。電子レンジや茹でる場合にはあっという間に70℃を通り越してしまいます。一方、蒸す場合にはゆっくりと温度が上がり70℃前後を長く保つことができるのです。また、可能であれば切らずに丸ごと蒸しましょう。大きいまま加熱するとゆっくりと熱が伝わり酵素がよく働いてくれます。
手間をかけずに少しだけ時間をかけて、美味しい「ふかし芋」でおやつにしませんか?