里芋って畑でどうやって増えていくのかな?
一年中店先に並ぶことが多い里芋ですが、本当の旬は秋から冬にかけての寒い季節。5月頃に畑に植えられた里芋の種イモは暑い夏に土の中でグングンと成長して秋には親芋・子芋・孫芋の大家族にまで育ちます。
里芋の子?孫?そんな里芋のどこの部分をいつも私たちは食べているのかな?そんな疑問にお答えしたいと思います。
里芋の種類ってあるの?
<写真:八つ頭>
私たちが一般的に言う里芋は、主に子芋と孫芋を食べている種類のもので、「土垂れ」等の品種があります。他にも親芋を食べる「海老芋」、親芋と子芋を食べる「八つ頭」等があり、里芋と一口に言っても色々な種類があるのです。
里芋は初夏の5月頃に畑に種芋を植え付けて、秋に掘り取り、収穫を行います。水を好み、夏に雨が少ない年などは良く作るのが難しい作物です。夏の強い日差しとたっぷりの水分のおかげで、あのねっとりとした食感の美味しいお芋が出来るのですね。
畑に植えた種芋が土の中で栄養分となり、まず初めに親芋が出来ます。その周りにくっつくようにして出来た芋が子芋、さらにその周りに出来た芋が孫芋となります。親→子→孫と、次々と増えてゆくことから、日本では昔から子孫繁栄の象徴として、正月などのめでたい席でも里芋は食べられてきました。
里芋を煮物でほっこり楽しみます!子と孫を食べてるの?
里芋は子芋、孫芋が販売され食べられています。畑で収穫したものを両方食べ比べてみると、後になって出来る孫芋の方がより滑らかで柔らかい食感のような気がします。親芋も食べる事は出来ますが、少し固くより締まった食感のようです。
親芋は販売されることはまず無いので、購入された物は子芋か孫芋でしょう。ただ、二つを見た目で区別するのは難しいかもしれませんね。
里芋は日本では昔からよく食べられており、昔は「芋」と言ったら里芋の事を指していました。私が住んでいる、東京の郊外の農家では今もそうです。
皮を剥くのがちょっと大変だったり、下処理が面倒だと家庭の食卓に上がる機会が減ってきている里芋。けれども子孫繁栄のめでたい、昔から愛されてきた美味しい野菜です。里芋を買って来て、「これは子芋かな?」なんて里芋の大家族に思いをはせてみるのも、ちょっと楽しいかもしれませんね。
榎戸園 榎戸 芳
里芋の上手な保存方法を知って、長持ちさせよう!