里芋の皮むきをマスターする
秋になり、そろそろ旬をむかえる里芋。これから寒い間、美味しく食べられるイモ類のひとつです。独特のぬめりが美味しい里芋ですが、この“ぬめり”がなかなかくせもの。ぬるぬると手が滑ってむきづらい上、ぬめりが手につくと痒くなったりかぶれてしまう…という人もいるようです。これでは、里芋の調理が億劫になってしまいますね。手がかゆくならずに、うまく里芋をむく方はないのでしょうか?
里芋のぬめり&かゆみの原因は?
里芋のぬめりの正体は、ムチンやガラクタンをはじめとした食物繊維です。このねばねば成分は里芋の健康効果が高いと言われる秘密です。例えばムチンには、胃の粘膜を保護し胃潰瘍などを予防、疲労回復や滋養強壮効果があります。またガラクタンは、コレステロール値や血糖値を正常にコントロールする作用があり、生活習慣病の予防効果にも。どちらも健康のためには、積極的に摂りたい成分ですね。
そして、何とかしてなくしたい!かゆみの原因は、シュウ酸カルシウム。シュウ酸カルシウムは里芋の皮付近に多く含まれる成分ですが、成分の結晶が針状になっているため、手につくとチクチクと刺激し、かゆみが生じてしまうのです。
さといものむき方、どうすればかゆくならない?
かゆみの原因成分であるシュウ酸カルシウムは、乾燥・熱・酸に弱い性質があります。この性質をうまく利用し、かゆくならないための対策をしましょう。
対策1:乾かしてからむく
泥付きのまま売られていることも多い里芋、買ってきたら、まず泥をきれいに洗い、日向で表面を乾かします。天気の良い日の日中なら半日ほどで乾きます。表面が乾けば滑りにくくむきやすいというメリットも。ただし、乾かしすぎると、中の水分まで蒸発してしまい、味が劣化してしまうので気をつけましょう。
対策2:さっと茹でてからむく
さっと茹でることで、里芋の皮と皮の下のシュウ酸カルシウムが多く含まれる部分だけに火を通し(3分ほど)粗熱を取ってから、手でむきます。手で簡単にするりとむけますが、古くなるとむけにくくなるので、包丁を使うと良いでしょう。中まで火が通っていないので、皮をむいた後、好みの方法で加熱してから食べます。
対策3:酢水に浸ける
一番手軽な方法がこちらです。酢水(水200㏄に酢大さじ1ほど)を用意します。里芋・手指ともに酢水に浸してから、皮をむきます。かゆくなりやすい人はこまめに浸しましょう。酢水にはかゆみを抑える効果もあるので、かゆみが出てしまった場合も酢水に浸すと良いでしょう。