酒粕の効能再発見!まずは水溶き酒粕をマスターします。

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酒粕は料理も引き立たせてくれる万能選手

酒粕というと、多くの人がイメージするのは甘酒や粕汁、粕漬けでしょうか。お酒が苦手な人にとっては、特になじみの薄い食材かもしれません。でもこの酒粕、栄養価の高さもさることながら、どんな料理も引き立たせてくれる万能選手。料理の仕上げにひとさじ加えるだけで体を芯から温め、味に奥行きをもたらしてくれます。中でもとっても使いやすい「水溶き酒粕」をマスターして、調味料の冬支度をはじめましょう!

酒粕の効能

酒蔵で造られる生きたお酒のしぼり粕である酒粕の中には、たくさんの生きた乳酸菌や酵母菌、麹(こうじ)菌の生命が詰まっています。大手酒造メーカーが出している酒粕は、手軽にスーパーで買うことができます。また、新酒の出回る11月~12月には酒屋さんの店頭にもこだわりの吟醸酒等の酒粕が並びます。日本酒同様に製法によって味も風味も本当にさまざまなので、味や香りを楽しみたいなら吟醸酒、旨味を求めるなら純米酒の酒粕などお好みで選んでみてください。

まずは「水溶き酒粕」を食卓に!

初めて酒粕を料理に使う場合には、まず、食卓でお料理に隠し味として「ちょい足し」 をして、酒粕の味と風味に慣れることからはじめましょう。そんな時に便利なのが「水溶き酒粕」。酒粕を水で溶いてペースト状にすることで、ブームとなった塩麹のように肉や魚を浸けたり、お料理に加えたりと、調味料として格段に使いやすくなります。

水溶き酒粕

【水溶き酒粕の材料】
酒粕:100g
水:100~150ml

酒粕には板粕や練り粕、バラ粕など水分量によっていろいろな形状のものがありますが、要は水を加えて溶かすだけ。水の量を調整して使いやすい硬さにしてください。

酒粕

酒粕は水に溶けやすいように、手でちぎって細かくほぐします。

水溶き酒粕の作り方

水を加えて15~30分置いておく。酒粕がふやけて混ぜやすくなります。

酒粕の使い方

泡立器などでつぶしながらペースト状になるまで混ぜる。「水溶き酒粕」は冷蔵庫で2週間ほど保存がききます。

水溶き酒粕を使った味噌汁

お味噌汁にひとさじ加えるだけで、コクが出て酒粕の香りがふわりと漂う贅沢な一杯に。体に吸収されやすい遊離アミノ酸が豊富なため、体温め効果が持続します。炒めものやスープなど、和洋中どんな料理にも驚くほどマッチします。

美容と健康に、酒粕を味方につける

酒粕を食べ始めてまず気づくのがお肌の変化。いつもよりしっとりつやつや、そして肌色がワントーン明るくなるのは、酒粕が「飲む美容液」といわれるほどアミノ酸、ペプチド、酵母を豊富に含んでいるから。さらに最近の研究では、消化されにくいタンパク質、レジスタントプロテインが発見され、その働きが注目されています。
消化されにくいタンパク質が注目される理由は、通常タンパク質は消化酵素で分解され、腸で吸収されやすい形になります。一方でレジスタントプロテインは分解されずに腸まで届くので、食物繊維と同じ働きをしてくれます。また、善玉菌のエサとなって腸内環境を整え、さらにコレステロールをキャッチして排出する働きをすることがわかっています。美容に健康にダイエットに、いいことずくめの酒粕。「水溶き酒粕」を食卓に置いて気軽に取り入れてみてください。

写真・文:岡本淳子(Aisha Beaute)